ウォークマン40年 音楽にひとりの世界を開いた1号機のズッシリ感

ソニーのオーディオ機器「ウォークマン」が、1979年の1号機発売から7月1日で40年を迎えました。音楽は室内で聞くのが当たり前だった時代に、持ち歩いてどこでもひとりで楽しめるようにした革命的なマシンでした。東京の銀座ソニーパークで9月1日まで、ウォークマンにちなんだ著名人のエピソードや、歴代製品を展示するイベント「WALKMAN IN THE PARK」を実施しています。

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昭和時代の懐かしいマシンは、実際に手に触れながら曲を再生することもでき、思わずノスタルジックな気持ちになってしまいます。

40人の著名人が語る「ウォークマンと私」

「銀座ソニーパーク」は銀座「ソニービル」の建て替えに伴い、2018年8月に作られたパブリックスペースで、外から見ると確かにおしゃれな公園のように見えます。ソニー製品の展示を行うのは今回が初めてで、これまであえて新製品の展示などは行わず、”遊び心”を重視したイベントや空間作りを行ってきたそうです。

イベントのメイン展示「My Story, My Walkman」では1979年から2018年まで、1年ごとに40人の著名人がウォークマンに関するエピソードを披露し、その年の実機が展示されています。

展示されているエピソードは「サカナクション」の山口一郎さん、「ゲスの極み乙女」の川谷絵音さんといったミュージシャンのほか、ユーチューバーのたなかさん、漫画家の渋谷直角さんらさまざま。ウォークマンは多くの人に愛されてきたのだと感じられます。

たとえば川谷絵音さんは、当時22歳だった2010年のウォークマンのエピソードとして、

「大学生のころ、五島列島に行く船の甲板で絶望的な音楽を聴いたとき、本当に死ぬんじゃないかと思ったことがあって。特に夜になると水平線以外何もないから、本当にもう、やばい状況で。しかも甲板には自分ひとりだけしかいない。その絶望感がいいんですよね。その状況でひとり暗い音楽をイヤホンで聴いていると、いちばん気分が落ちるんですよ。いつもより深いところまで音楽が入ってくるというか。船で聴く音楽、おすすめですよ」

と語っています。

イベント初日はプレス向け発表会があり、「銀座ソニーパーク」を運営するソニー企業株式会社の永野大輔社長が「ソニーの存在価値は単に商品を作るだけでなく、お客様の物語を作っていくこと。人の物語をつないでいくイベントをやってみたいと思いました」と企画の狙いについて語りました。

ズシッ、カシャッ、キュルル…の1号機

ウォークマン1号機「TPS-L2」は、ブックデザイナーの祖父江慎さんのエピソードとともに壁に掛けられていました。手に持ってみると、ズッシリとした重量感と、片手でやっと持てる程度のサイズ感があり、無骨なデザインは今見てもとてもカッコよく感じます。

カバーやボタンをいじってみると、カセット装着時のカシャッという音や、早送りのキュルルルルという音、金属製の再生ボタンの重めの感触などが、いかにもメカっぽくて楽しい気持ちになります。そういえば昔の家電ってこんな感じだったよなあと、真っ平らなスマホばかり触っている筆者は、逆に新鮮に感じました。

1号機にはイヤホンジャックが2つあり、カップルや友達同士で一緒に音楽を楽しめる仕組みになっています。

本体をよく見ると「HOT LINE」というオレンジ色のボタンがありましたが、2人で会話をしたいときにこのボタンを押すと、再生中の音楽のボリュームが一時的に下がり、内蔵マイクが声を拾ってイヤホン越しに相手の耳に届くのだそうです。

CD・MD・データまで247種がずらり

地下4階には、歴代のウォークマン247台を一挙に並べた「Walkman Wall」が展示され、カセットテープ、CD、MD、そしてデータ通信と時代の移り変わりを感じさせます。

特に、80年代のマシンはカラフルだったりスケルトンだったりして、今の時代にはないユニークさがあります。展示を眺めていると、一つぐらい「あ、これ持ってた!」という製品に再会できるかもしれません。30代以上の人であれば、自分の青春時代や若き日々がよみがえりそうです。

 

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