モンゴルひとり旅。相撲好きだから「聖地巡礼」してきた

ウランバートル市街の様子(Photo by Getty Images)

「6月、モンゴルに行くんだ」。そう言うと、ほとんどの人から「モンゴル? なんで?」「何しに行くの?」「観光地ってあるっけ?」といった反応が返ってきました。

成田からウランバートルまで、直行便で約5時間半。近いようでいて、それほど近いとも言えないモンゴルは、私の周りでは旅の候補地として挙がりにくいようでした。しかし、相撲好きにとって、モンゴルは「聖地」に他なりません。

ウランバートル市内にある「相撲宮殿」と呼ばれる建物。ブフ(モンゴル相撲)が開催される施設で、日本の両国国技館のようなもの

とくに首都ウランバートルは、多くの人気力士を輩出しています。現役力士では、白鵬関・鶴竜関の2横綱に、幕内の玉鷲関、十両の旭秀鵬関、元大関の照ノ富士さんらの出身地です。

モンゴル出身の力士がたくさん活躍している今、彼らの故郷を見てみたい、現地を歩いてみたい、彼らにゆかりのある場所を訪問(聖地巡礼)したい。そんな思いで女ひとり、ウランバートルへ行ってきました。

東京から約5時間半でウランバートルへ

1日目、成田を14:40に発ち、ウランバートルに到着したのが現地時間の19:10。東京とモンゴルを結ぶ直行便(ミアットモンゴル航空)は、1日1便しか運行していないため、初日は移動だけで終わりました。

建物はやや古いけれど、バスタブもあって、快適に過ごせたウランバートルホテル

現地オプショナルツアー予約サイト「VELTRA(ベルトラ)」で手配していた空港送迎サービスで、空港から30分ほど走ったところにある、ウランバートルホテルに到着しました。公用語はモンゴル語で、英語が通じない場所は少なくありません。

そのため旅中の拠点となる宿泊先は、(1)外国人観光客も多く泊まること、(2)老舗のしっかりしたホテルであること、(3)それでいて宿泊費が高すぎないことの3つの基準で、ウランバートルホテルを選択。英語で意思疎通できるスタッフがいてホッとしました。

日本語とモンゴル語、2カ国語話せるガイドを雇う

翌日から2日間は、ウランバートル市内を巡ります。ただ、モンゴル語が一切わからないため、現地ガイドを雇いました。

今回利用したのが、現地在住者に現地に関する質問や旅の相談、ガイドなどを依頼できるサービス「Traveloco(トラベロコ)」。初日は個人で旅行業を営むモンゴル人女性のUさんに依頼しました。Uさんは日本で働いた経験があり、日本語が堪能です。

トラベロコ内でメッセージをやりとりして、今回の旅でどこに行きたいか、何をしたいか希望を伝えると、Uさんがそこへアクセスするための調整をしてくれました。モンゴル語を読み書きできないため、大きな助けになります。

新モンゴル日馬富士学校のエントランス

Uさんのサポートのおかげで訪れることができた「新モンゴル日馬富士学校」は、元横綱・日馬富士さんが創設した、小中高一貫教育を行う学校です。Uさんが私と学校側との間に立って、連絡を取ってくれました。

Uさんがあらかじめ、私が日本語でまとめた学校を訪問したい理由や過去に書いた相撲に関する記事を先方に送付してくれたおかげで、視察許可をもらうことができたのです。

学校内には日本語のメッセージが。日本の文化や歴史、日本語を学ぶ授業もある

学校内を案内していただくなかで驚いたのは、生徒たちが「こんにちは!」と日本語で元気に挨拶してくれたこと。その礼儀正しさに、身が引き締まる思いでした。

左側は「ありがとう」、右側は「ごめんなさい」と特定の相手または不特定の相手に伝えるメッセージが綴られている

校内はカラフルでポップな内装で、明るい気持ちで過ごせそうな雰囲気です。日本式の教育をベースにしたカリキュラムのもと、日本に留学する優秀な学生をたくさん輩出する名門校になる、という意気込みを感じました。

モンゴル語しか通じない市場で、欲しかったアイテムを購入

屋外の市場。1日が終わると商品をすべて片付ける

モンゴル最大のザハ(市場)である「ナラントールザハ」を安全に散策し、欲しい土産を手に入れることができたのもUさんのおかげです。まさに「青空市場」のような場所では、遊牧民向けの移動式住居「ゲル」の素材やゲルで使う調理器具などが販売されていました。

地元の人々が9割以上を占めていて、観光客はほとんどいない場所のため、Uさんは「スリに気を付けて。私が後ろを歩きますから」と、常に目を光らせてくれていました。

フェルトでできたスリッパをお土産に

必ず買いたいと思っていた、モンゴルの高品質なフェルトでできたスリッパも、イメージ通りのものを手に入れることができました。これもUさんが広大な市場内で、現地の人にヒヤリングして店を探し、私の要望を店員さんに伝えてくれたおかげです。

モンゴル出身力士ゆかりの場所を巡る

翌日は現地在住の日本人夫妻にガイドをお願いしました。この日、ふたりに案内してもらったのは、現役大相撲力士と引退した元大相撲力士に関連する場所です。

元大関、照ノ富士さんが通っていた柔道場がある施設

休場が続き、大関から序二段という地位へと落ちたものの、7月場所では幕下59枚目と番付を戻しつつある照ノ富士さんが、ウランバートルに住んでいた頃に通っていたとされるスポーツ施設を訪れました。

受付で交渉してもらい、中まで入ることができた
鶴竜関が通っていた学校にも。色使いがかわいかった

引退してからは実業家として活躍する、元横綱、朝青龍さんが現在オーナーを務めるサーカス施設も見に行きました。残念ながら現在巡業中らしく、現地でサーカスを見ることは叶いませんでした。

朝青龍さんが所有するサーカス施設

サーカス施設の裏にある、朝青龍さんが経営するモンゴル国民投資銀行(NIBank)にも行ってみました。中に入ってみたくて、3000円だけ両替を。

モンゴル国民投資銀行。中は豪華な印象だった

最後に向かったのは、現在不動産事業などを手がける、元小結の旭鷲山さんが所有する相撲部屋です。

「KYOKUSHU BEYA」と書かれている

土日は旭鷲山さんがここで直接指導しているのだそう。ガイドのご夫妻が受付・掃除担当の女性からいろいろと聞き出してくれました。

ここで稽古をしている

相撲ファン歴わずか1年半の私は、旭鷲山さんが現役だった時代は、相撲を見ていなかったわけですが、道場の壁に貼られた写真には、知っている顔もありました。特別な空間で過ごした喜びを感じながら、道場を後にしました。

モンゴル観光はリーズナブルに楽しめる

最後に、モンゴルの観光情報を。タクシーは1キロメートル当たり1000トゥグルグ、日本円にして40円ほどと激安です。空港送迎サービス以外はすべて白タクで、中にはもっと安く済んだケースもありました。

2人前のはずが、3〜4人前はあるように見えるスープ

食事はたっぷりとボリューム感があるにもかかわらず、「こんなに安くていいの?」と思える金額です。ガイドの分を支払っても、2〜3人お腹いっぱい食べて、日本円で2500円〜3000円ほどで済みます。

モンゴル料理は肉と炭水化物が多めで、野菜は少なめ

今回散策したのはウランバートル市内だけでしたが、次にモンゴルを訪れるときは、大草原のなかにあるゲルで生活したり、羊や馬などの動物と触れ合ったり、もっと自然と向き合える楽しみ方をしたいと思っています。

 

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