女海外ひとり旅。安全に楽しむためにしている5つのこと

ひとり旅のときはシンプルな服装で(イラスト・古本有美)

初めて女ひとりで海外へ行ったのは24歳のときでした。行先はアラブ首長国連邦(UAE)。その頃公開された映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』で、登場人物である華やかな大人の女性4人が、UAEのアブダビを旅する様子に憧れ、自分も行ってみたいと思ったからです。

後述するように、現地で一度怖い目に遭ったものの、滞在中は基本的に楽しく過ごせたため、それを機に国内に限らず海外も、ひとりで行くのが当たり前になりました。しかし、元夫と出会ってからは、旅はふたりで行くのが恒例となっていました。ひとり旅が再び“標準”になったのは、3年半前に離婚してからです。

好きなときに、好きな場所へ行って、好きなものを見て、好きなものを食べる――。そんなひとり旅ならではの自由さが快適で、独り身に戻ってからはタイやカンボジア、スリランカ、フィリピンなど、アジアを中心に巡ってきました。中には治安がよくないと言われたり、観光に訪れた日本人が危ない目に遭ったりしたエリアもあります。

しかし幸いなことに、私は海外ひとり旅をしているとき、恐ろしい思いをしたことは、最初の旅を除き、ほとんどありません。今回のコラムでは、女性が海外をひとり旅する際に、安全に楽しむための自分なりのコツをご紹介します。

1.おしゃれは封印。Tシャツとパンツのシンプルな格好にする

UAEでラクダにまたがる

UAEを旅した24歳の頃、華やかな『セックス・アンド・ザ・シティ2』の影響を受けて、「旅先でもおしゃれでいたい」という気持ちを強く抱いていました。約9年前、Facebookにアップした当時の写真を見ると、ワンピースにブーツというフェミニンな格好をしていました。バッグも明らかにブランド品とわかるモノを持っていて、比較的狙われやすい外見だったと思います。

当時、私が恐ろしい目に遭ったのは2回。ホテルへチェックインを済ませ、エレベーターで乗り合わせた外国人男性から、「かわいいね。君の部屋で話さない?」などと英語で話しかけられたのが1回目。「エレベーター内で出会ったはじめましての相手を部屋に招く女性なんていないよ……」と怯えました。

2回目は部屋に入って荷物の整理をしていたときのこと。突然、ドンドンドン……とドアを叩く音がしました。覗き穴を見ると、先ほどエレベーターでナンパしてきた男性がそこにいて、ウギャッと叫びそうになりました。フロントに電話をかけて「怖いです。なんとかしてください」と拙い英語で伝えて事なきを得ましたが、しばらく震えが止まりませんでした。

本音を言えば、海外ひとり旅でもワンピースやスカートを選びたいときだってあります。でも、そういった格好をすることで、「女」という記号としてみなされ、声をかけられて、あるいはそれ以上のことをされて怖い思いをする可能性がある。それならば、女を感じさせない中性的な格好にしよう、と思うようになりました。以来、海外ひとり旅中はTシャツとパンツのコーディネートが定番です。

女として意識される弊害だけではありません。海外ひとり旅をしていて、「あいつ、金持ってそうだな」と思われると、ろくなことにはなりません。だから私はシンプルな格好を選んでいます。多少ヨレッとした着古したTシャツを着て、現地で処分すると、帰りの荷物が減っておすすめです。

2.持ち歩くモノ、持ち歩き方を慎重に決める

旅先ではパンツとスニーカーが基本

パンツは左右に大きなポケットが付いたものを選んでいます。ポケットにはペットボトルや丸めた地図などを入れ、スマホやお金を入れることはありません。釣り銭など、わずかな小銭を財布に入れるのが面倒なときは、ポケットに一時的に入れることはありますが、基本的には取られても問題ないモノを入れます。

街歩き用のバッグはショルダーバッグ一択です。片方の肩にかけるのではなく、斜めにかけることで、奪われにくい状態にしています。当然ですが、バッグは身体の前面に来るようにします。

バッグに入れるのはスマホと財布、ボールペンなどの小物です。財布には全額を入れるのではなく、その日に使う現金とクレジットカードのみ。余計なお金は持ち歩かないようにしています。パスポートはホテルのセーフティーボックスで管理。できるだけ少荷物で出歩くのが安心です。

3.スマホはできるだけ取り出さない

三輪タクシー「トゥクトゥク」の車内。バッグを足に挟んで警戒している

カンボジアの首都、プノンペンを旅したときのことです。トゥクトゥクに乗って街の様子をスマホで撮ろうとした日本人観光客が、後ろからやってきたバイクに乗った人物に、スマホをひょいと奪われる事件が、立て続けに起きていると聞きました。

窓から身を乗り出して、日本にいるときと同じ感覚でスマホを取り出し、撮影しようとするのはあまりにも無防備な気がします。私は海外ひとり旅の際は、レストランなどに入ったときを除き、屋外ではスマホで写真を撮らないことにしています。写真を撮ろうとすると、前後左右の確認が疎かになりやすく、近づいてきた人物に気づかず、スマホを奪われる可能性があると思うからです。

スマホの代わりに首から提げたカメラで写真を撮ります。スマホは地図を見たり調べ物をしたりするとき以外はショルダーバッグの中。スマホを取り出すときは壁を背にして、後ろから狙われないよう細心の注意を払っています。海外では慎重にしすぎて損することはないと考えています。

4.空港からホテル間の移動は送迎を手配する

現地に到着して空港前でタクシーをつかまえたり、バスに乗ったりして宿泊先のホテルに行くのもいいですが、とくに流しのタクシーの場合、若干不安に感じます。自意識過剰だと言われるとそうかもしれませんが、タクシーは密室であり、そのなかで信頼関係が築けていない男性とふたりきりになるわけなので……。

私がよく利用するのは、現地オプショナルツアー予約サイトの「VELTRA(ベルトラ)」です。たいていの国や地域で「空港送迎」というサービスを展開しています。事前に到着日や飛行機の便名、宿泊先ホテルなどを登録して申し込んでおけば、現地ガイドと共に、貸切のクルマが空港まで迎えに来てくれます。

とくに言葉が通じない国や地域で、交通手段を確保するのはなかなか大変。その点、空港送迎サービスはガイドがクルマまで案内してくれて、運転手に行き先を最終確認してくれるので安心感があります。

そのほか、旅行サイトの「Expedia(エクスペディア)」の空港送迎サービスを使うこともあります。ホテルや航空券を手配した際に、空港送迎サービスをオプションとして付けられる場合もあります。安心を買うという意味でおすすめのサービスです。

5.ツアーを上手く利用する

以前タイへ行ったとき、アユタヤ遺跡やチャオプラヤー川を巡るツアーやムエタイ観戦に行く現地ツアーに申し込みました。自力でも行けたのかもしれませんが、女ひとりの身には、ホテルと現地の間を送迎してくれる安心感は何にも代えがたいです。他にも移動が楽だったり、同行してくれる現地ガイドさんに気になることを質問できたりするのも、ツアーの魅力だと感じます。

過去に申し込んだツアーの例

医師による体質診断やそれを元にした食事療法、マッサージをはじめとするボディケアを含むアーユルヴェーダの施術を受ける目的でスリランカを訪れたときは、旅行代理店が販売するツアーに申し込みました。普段はツアーには申し込まず、基本的には航空券とホテルはExpediaで、現地ツアーをVELTRAで手配し、個人旅行を楽しんでいます。しかし、当時のスリランカ旅行では、同様のやり方で手配しようとすると、旅費がとても高額になることがわかりました。

一方、旅行代理店のツアーは、自分で手配するよりもはるかに安価で、少しでもリーズナブルになるなら、知らない人たちと一緒のツアーでもいいかと思い予約しました。蓋を開けてみると、ツアーに参加していたのは、私と同世代の女性の計2人でした。平日だったこともあり、たまたま少なかったのだと思われます。

彼女とは同じホテルでアーユルヴェーダの施術を受け、タイミングが合えば一緒に食事をしたり、最終日には現地ガイドと3人で買い物をしたりと、女ひとり旅をする者同士、ほどよい距離感で心地よく関わることができました。

海外で完全にひとりで過ごすのもいいですが、ときには誰かと過ごすのも新鮮です。海外でひとり旅をしているとき、現地に知り合いがいる場合は早めに連絡し、ランチやディナーの約束を取り付けることもあります。

女海外ひとり旅は楽しいです。何にも縛られず、自分のペースでその土地を堪能できる喜びがあります。海外をひとりで旅してみたいけれど、なかなか勇気が出ずにいるーー。そんな女性に少しでも参考になる情報をお届けできていたらうれしいです。

 

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