「私とこんなことしませんか」デートプランを出品するオークション 新たな恋活サービスの背景とは?

デートプランオークションサイト「Preme」を運営する津守良彦さん

50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」が高まっているのは、よく知られている話です。

2015年の生涯未婚率は、男性23.37%(約4人に1人)、女性14.06%(約6人に1人)でしたが、2035年には、男性の約3人に1人、女性の約5人に1人が生涯未婚である、との予測も(人口統計資料集(2019)、2014年版厚生労働白書より)。

大人になると結婚するのが「普通」とされていた昔とは違い、今は結婚するもしないも、自分で選択する時代。会社で結婚相手を斡旋されたり、周囲から「◯歳までに結婚しないと……」と強い圧力をかけられたりする機会は減っています。

年収や年齢に囚われないマッチングサービス

一方で、結婚願望はあるのに結婚できない人も少なくありません。多種多様な婚活系マッチングサービスの中で、相手を選別する重要な指標にされやすい、年収や年齢などの数字が可視化されることで、婚活市場内で格差が生じているのが現実です。

こうしたなか出てきたマッチングサービスが、デートプランのオークションサイト「Preme(プレミー)」。デートプランを作って、それを出品することができるのですが、プロフィールに年収や年齢を登録する必要がありません。出品されたデートプランを気に入った人が入札を行い、うまくマッチングすれば落札して、出品者とデートに行くことができます。

婚活市場で、年収や年齢などプロフィール上の“数字”が「結婚相手向きではない」とジャッジされ、パートナー探しのチャンスを失う人を減らしたいーー。そんな思いから生まれました。

サービスを開発したのは株式会社ライフパートナーの津守良彦さん。これまで結婚相談所を開業したほか、ビデオチャットを使った婚活アプリ「婚活サプリ」や恋愛スキルを学べる教育機関「一般社団法人恋愛スキル協会Licomo」を立ち上げました。そんな津守さんが新たに開発した「Preme」。一体どのようなサービスなのでしょうか、津守さんに話を聞きました。

“広義”のデートを楽しみたいすべての人に使ってほしい

デート出品者の情報は閲覧できるが、デートを出品しないユーザーの情報が公開されることはない

――「Preme」はどんな人たちに向けて作ったサービスなのですか。

津守:同じ趣味を持つ仲間を作りたい人から、デートのドキドキ感を味わいたい人、恋活や婚活をしたい人など、人生を楽しく過ごす友人やパートナーが欲しいすべての人たちを対象としています。

婚活アプリを使ったり、結婚相談所に登録したりして、婚活に取り組んでいるのは独身者の3割程度で、残りの約7割は「チャンスがあれば結婚したい」「パートナーはいるとうれしい」くらいの、ゆるやかな結婚願望を抱えている人たちです。そんな人たちにも気負うことなく使っていただけるサービスです。

――ガチな恋活・婚活以外の用途でも使える、ということなのですね。

津守:デートプランを作成して販売すると謳っていますが、「デート」の中身は恋愛・結婚に直結するものでなくてもかまいません。

たとえば、人の悩み相談に乗るのが得意な人であれば「あなたの悩みを1時間たっぷり聞きます」とか、占いができる人であれば「喫茶店でコーヒーを飲みながらタロット占いをします」といったプランを出すこともできます。

池田さん(筆者)なら「フリーランスのライターになりたい人のキャリア相談に乗ります」「喫茶店で最近のプロレスについておしゃべりします」みたいな、自分が得意なことや好きなことを元にしたプランを作って提示できる、というわけです。なので、登録は未婚者でも既婚者でも可能です。

――昔はデートというと、恋愛対象者に向けた特別な響きがありましたが、いつしか同性の友人と出かけるときも、「◯◯ちゃんとデート」みたいに気軽に使うようになりました(笑)。そんなライトな感覚のデートというか、“広義”のデートなんですね。

津守:Premeでの「デート」もそういった感覚で捉えていただければと思います。大人の関係で結び付く「デートクラブ」などを連想する人もいるかもしれませんが、そういうデートとは異なります。

登録時に既婚・未婚を記入しますので、結婚を目的とした利用なら未婚者を、相談・占いなら既婚者でも可など、利用目的に合わせて相手を選択できるようになっています。登録すれば誰でもデートを出品できますし、誰でもそれに入札できます。自分の考えるデートプランを出品しながら、同時に他の人が出品しているプランに入札もできます。

ちなみに、デートプランへの募集人数は1〜10名までと幅広く設定できて(1対1でのデートのほか、合コンやBBQなど複数人での企画にも使える)、デートの所要時間や門限も設定可能です。1時間単位なので、1時間のショートデートから数時間の長めのデートまで、自由に決めることができます。

「条件面での良し悪し」とは違う土俵で恋活・婚活してほしい

――そもそもなぜ「Preme」を開発することにしたのですか。

津守:2014年に結婚相談所事業を始めましたが、結婚を目的とした既存のマッチングサイトは、年齢や年収、容姿など、プロフィール内の条件ばかりが重視され、「条件的に優れている」と思われる人だけに申し込みが集中するのに疑問を感じていたからです。

――条件で絞り込んで検索する機能を使うと、条件にあてはまらないユーザーは、そもそも恋活・婚活の土俵に上がることすらできないですよね。こぼれ落ちてしまう、といいますか……。

津守:たとえば、婚活アプリで「年収400万円以上の男性」に絞って検索をかけると、年収400万円に満たない男性は、検索結果に出てこないわけですからね。その条件で相手を探している女性にとって、表示されない男性は存在していないも同然なんです。

婚活アプリでは収入額に規定のないものが多いですが、結婚相談所の多くは「年収300万円以下の男性」の入会をお断りしています。入会したとしても女性からの申し込みがほぼ発生しない、とわかっているので。

今は非正規雇用も増えていて、結婚相談所に入会できない人の中には、婚活をはなから諦めている人もいます。そんな人にも「Preme」を使ってもらい、数字的な条件にとらわれない人柄重視、アイデア勝負の恋活・婚活をしてほしい、と思っています。

デートプランが魅力的なら申し込みが発生し、「好き」を介した出会いにつながる

「Preme」のデートプラン詳細画面。デートの内容と入札金額がわかるシンプルなページ

――「Preme」ではデートプラン出品者の情報は、顔写真や職業、デートの内容など、最低限しか公開されないのですね。

津守:その人の条件を見るのではなく、デートプランの内容を見て、申し込むかどうか決める設計にしているからです。趣味や好きなこと、興味関心のあることを通じて、デート実現につながったらいいなという狙いがあります。

――既存のマッチングサイトでは条件で弾かれていた人が、「Preme」では、自分の得意分野や好きなことで魅力的なデートプランを出品すれば、自分の興味関心に近い要素を持つ人たちと出会えるチャンスがある、と。

津守:たとえば、ちょっと奥手で恋愛経験が少ない、アラフォー未婚男性がいるとします。彼は中華料理が大好きでお店にも詳しく、女性と中華を食べに行くデートをしたいけど、なかなか出会いがない。そこで、「Preme」を使って「美味しい中華料理店で食事デートをしませんか」とデートプランを出品してみる、とします。

入札額は0円〜3万円の間で決めることができるので、思い切って「0円」にして、応募が来やすい状態を作るのもひとつの手です。自分の得意分野を活かして、素敵な出会いにつなげてほしいと思います。

   ◇

ひとりの時間を味わいながらも、他者とコミュニケーションを図ることで、私たちの人生はさらに豊かなものになるでしょう。気軽なデートから楽しめるサービスは、人との出会いやつながりを作るのに、一役買ってくれそうな気がします。

 

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