泥酔してそのまま寝たい! 酒飲みの願いを叶えてくれる「泊まれる居酒屋」に行ってみた

泊まれる居酒屋「Imura」の井村稔さん(左)と真菜さん

40歳半ば頃から酒が弱くなった。焼酎を2、3杯飲んだだけで酔ってしまう。ほろ酔いのまま帰ればよいのに、つい、また飲んでしまう。そして、泥酔。翌朝、タクシーの領収書を見て驚く。飲み代と同じくらいの金額だからだ。とはいえ、カプセルホテルに泊まるのもお金がかかるし、そこまで歩くのも面倒くさい。泥酔して、そのまま眠りたい。

JR名古屋駅から東海道本線で南へ20分。共和駅(愛知県大府市)から徒歩5分の「Imura(イムラ)」は、酒飲みのそんな究極の願望を叶えてくれるのだ。なぜなら、ここのキャッチフレーズは「泊まれる居酒屋」である。

愛知県大府市にある「泊まれる居酒屋」Imura

酒と料理を楽しんだ後に泊まってみる

飲食と宿泊がセットになった施設といえば、日本には料理旅館があるし、フランス発祥のオーベルジュもある。どれも温泉地やリゾート地にあり、目玉が飛び出るほど高級だが、ここは街の居酒屋。宿泊代はいくらなのかはわからないが、お酒と料理を楽しんだ後、実際に泊まってみようと思う。

カウンター席に座り、オススメの料理を適当に出してもらうことに。まず、一品目は「大根とツナのサラダ(クリームチーズ入り)」(770円)。巷の居酒屋で食べるそれと違い、大根がスティック状にカットされていて、食べ応え十分だ。クリームチーズ入りは裏メニューだそうで、チーズのコクも相まって旨い。

大根とツナのサラダ(クリームチーズ入り)

お酒は鹿児島県の芋焼酎「丸西 黒麹仕込み」(グラス450円)をロックで。口当たりがやわらかくて、口の中で芋の風味がふわっと心地良く広がる。飲みやすいので、つい、飲みすぎてしまう。でも、今回は泊まりなので、いくら酔っ払っても問題ない。

芋焼酎「丸西 黒麹仕込み」

次は「蒸し鶏のしょうがダレがけ」(650円)。鶏むね肉はパサつかず、しっとりとした食感。しょうがダレは、しょうがとニンニク、ネギの中華風だが、ベースは白だし醤油。味に深みがあり、淡泊な味わいの鶏むね肉にぴったり。焼酎がすすみまくりだ。あっという間にグラスが空になり、おかわりを注文した。

蒸し鶏のしょうがダレがけ

「このメニュー、父がダイエットを機に考えたんですよ」と、オーナーの娘で調理担当の井村真菜さん。聞いてみると、幼い頃から店を手伝っていて、そのまま料理人になったという。

店主がDIYで作った宿泊部屋

店はもともと炉端焼き店としてスタートし、1997年に和洋中の料理とお酒が楽しめる『ダイニング Imura』に業態をリニューアル。さらに2年前、「泊まれる居酒屋」へと再リニューアルしたとか。

父の経営する店で一緒に働く井村真菜さん

「炉端焼き店の頃から、2階には個室があったんです。ところが、年を追うごとに利用が少なくなっていきました。そこで父が『泊まれる居酒屋』にしようと。その後、民泊業者としての許可も取得しました。部屋はすべて父がDIYで作ったんですよ」

自慢の部屋は後からのお楽しみとして、まだまだ料理と酒を楽しみたい。

次に出してくれたのは、「Imuraの海老の風味揚げ」(750円)。特製のタレを絡めた海老の唐揚げにコショウをきかせた一品。名古屋名物の手羽先と同様に、手が止まらなくなるほど旨い、口の中に広がったスパイスの刺激を焼酎で洗い流す。

Imuraの海老の風味揚げ

うん、至福のひとときだ。たった一品で先ほどおかわりした焼酎を飲み干してしまった。

続いて、「焼いてます、玉子焼き」(500円)。あまりにも旨そうだったので、写真を撮る前に箸をつけてしまった(笑)。創作料理が続いたが、居酒屋の定番メニューも相当レベルが高い。焼きたてなので、熱々でふっくら。これも酒がすすむなぁ。

焼いてます、玉子焼き

この時点でかなり酔ってしまった。でも、せっかくなら〆のご飯ものも食べてみたい。オススメを頼んだところ、「玉子×玉子雑炊」(600円)を出してくれた。だしがきいたやさしい味わいに心が和む。おっ、トロトロの溶き卵だけではなく、温泉玉子も入っている。これを肴にグラスに残った焼酎を飲み干そう。

玉子×玉子雑炊

1泊2100円の部屋で爆睡

熱々の雑炊を食べたこともあって、一気に酔いが回ってきた。もう、このまま寝たい。

で、案内されたのがエレベーター前にある、いちばんお値打ちな「NINJA(ニンジャ)」と名付けられた部屋。二段ベッドになっていて、一泊2100円(1名)。この部屋以外に、2人部屋や4人部屋もあるが、寝るだけならまったく問題ない。

Imuraの2階にあるベッドルーム

ちなみに浴室も完備。シャワーは無料だが、浴槽にお湯を溜める場合は別途300円が必要とか。シャンプーやリンス、ボディソープも自由に使うことができる。バスタオルは、宿泊1回につき、1人1枚まで無料で貸してくれる。つまり、手ぶらで来てもOKなのだ。

家庭的な雰囲気の浴室

シャワーを浴びた後、ベッドに倒れ込んで爆睡。酔っ払っていたからだろう。狭さはまったく気にならず、そのまま朝を迎えた。お酒も残っていない。うん、イイ目覚めだ。

帰り際、真菜さんと昨夜不在だったオーナーの井村稔さんがわざわざ外まで出て見送ってくれた。次回は気の合う仲間たちとドンチャン騒ぎして、そのまま泊まっていこうと思う。井村さん、お世話になりました。

 

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