女ひとり大相撲「足立場所」へ。巡業は朝イチで行くのがおすすめな理由

足立区で開催された巡業「足立場所」へ

大相撲を見ていると、力士って旅人みたいだなあと思います。彼らは全国を巡業している、まさに「会いに行けるアスリート」。

巡業とは簡単に言うと、年6回奇数月にある本場所の合間、2月と6月を除く偶数月に行われる、本場所よりもカジュアルで、力士との距離も近い催しです。

『大相撲手帳』(東京書籍)によると、4月の春巡業は主に東海・関東で開催されます。三重県の伊勢神宮を出発して、靖国神社のある東京方面に向けてルートを組むそうです。

今回は春巡業の中盤に差し掛かった4月18日、「足立場所」(東京都足立区・東京武道館)を見にいってきました。その見どころをレポートします。

念願の握手会で、人気関取と握手してもらう

足立区では28年ぶりの巡業だと、パンフレットを見て知った

巡業の朝は本場所よりも早いです。本場所がだいたい朝8時半にスタートするのに対し、巡業は朝8時の開場。そして開場と同時にコンテンツが目白押しです。

私が到着したのは8時50分頃。主な目的のひとつは、関取(注1)との握手会です。昨年の巡業では握手会があることを把握しておらず、会場入りしたのは昼過ぎでした。

だから今年は、握手会を体験したいと思っていたのです。関取が2人1組で15分ずつ、計8人が握手会を担当します。

握手会終了時刻ギリギリに滑り込んだ

玉鷲関と千代大龍関に握手してもらうことができました。玉鷲関は笑顔が可愛くて、千代大龍関はフレンドリー。

どの力士が握手会の担当なのか、当日行ってみないとわかりませんが、早めに行って損はないでしょう。

会場1階で関取とふれあえる

力士が普通に近くを歩く。関取や彼らの付け人である幕下以下の力士も

握手会後は会場をうろうろします。まだ早い時間帯なだけに、観客の数がまばらです。

1階通路を歩いていると、関取たちがウォームアップやトレーニングをしたり、仲良し同士で話したりしています。

本場所中には考えられないことですが、会場の隅に人気関取らが普通に立っていて、それぞれ思い思いのことをしているのです。

土俵に向かう直前、花道に控えている関取には話しかけられないが、壁際にいる関取に話しかけるファンは多数いた

本場所中だと入り待ちや出待ちをしないと間近で見られない関取衆ですが、巡業では会場内を歩き回っているだけで、すぐそばで見られる。なんて贅沢な時間でしょう。

このときにサインをもらったり、写真撮影をしてもらったりすることもできます。握手会で“推し力士”と握手できなくても、チャンスはあるかもしれません。

巡業では公開稽古を見るといい

稽古を待つ間や土俵下にいる関取たちの行動や表情を観察するのも楽しい

土俵に目を向けると、公開稽古の真っ最中。番付が低い力士の稽古が8時からスタートします。次第に番付上位の関取衆の稽古となり、11時半頃まで続きます。

9時頃には白まわしをつけた関取が土俵に上がり、黒まわしをつけた幕下以下の力士に稽古をつけていました。

日頃は所属する相撲部屋ごとに稽古をしますが、巡業では部屋に関係なく、たくさんの力士が集まって稽古に励みます。

視覚的にも聴覚的にも迫力満点な稽古は、巡業の見どころのひとつです。筋肉の塊ともいえる肉体が激しくぶつかり合うなかで、息遣いが荒くなり、汗がきれいな肌をつたいます。

こうやってハードな稽古を積み重ねて、この人たちは強くなっているんだなあ、としみじみするのでした。

この公開稽古を見ないのはもったいない。というのも、力士の朝稽古を見たいと思ったら、通常は各相撲部屋に、早朝に出向く必要があります。しかし、必ず見学できるとは限りません。

そもそも当日行ってみないと稽古があるかどうかもわからない。見学不可な日がある。後援会会員でないと見られない――。こんな形で制約があるケースが多いのです。

もちろん中には、誰でも自由に稽古見学できる相撲部屋もありますが、最近はそのタイプの部屋はあまり多くはないようです。

大関、横綱の稽古も間近で見られる

2階席からの距離も近い。稽古を俯瞰的に見られる位置

さて、話を巡業の公開稽古に戻します。関取の中でも十両・平幕力士が中心に稽古する時間が続くと、いつの間にか小結や関脇、大関などの三役クラスが土俵周りに集まっています。

大関・豪栄道関が平幕力士に稽古をつけるため土俵に上がると、「ごうえいどうー!」と声援が飛びました。巡業でも大人気です。

そうこうするうちに、大相撲界の頂点に立つ横綱が登場しました。土俵下に控える白鵬関、すり足をする鶴竜関の姿もこの目でしっかりウォッチ。

稽古後は取組や土俵入り、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介するコンテンツなどが披露され、15時頃には終了となります。

「仕事があるから、さすがに朝から15時までは無理」という方は、私のように早朝から行って、昼前に会場を後にするパターンはいかがでしょうか。

取組は本場所で見られます。そう考えると握手会に参加したり、会場1階にいる稽古前の関取に話しかけたり、稽古を見たりする方がおトクな気がします。

巡業はいろいろな街へやってきます。次の巡業は七月場所(名古屋場所)が終わった8月。北海道や東北を中心に開催されます。ぜひチェックしてみてください。

注1:大相撲の地位は下から序ノ口、序二段、三段目、幕下、十両、前頭、小結、関脇、大関、そして最高位の横綱。関取は十両以上の力士を指す。

 

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