「結婚は女に自由を与え、男から自由を奪う」は本当か? ひとりを楽しむ「ハイスペ独身男子」のドラマがスタート

(イラスト・古本有美)

50歳までに一度も結婚していない人の割合を示す「生涯未婚率」。2015年の国勢調査によると、その数字は男性23.37%、女性14.06%であるとされています。男性においては実に「4人に1人が生涯独身」という時代に突入したわけです。

「アラフォーで独身」という男性がもはや珍しくはない現代。彼らにスポットを当てたドラマ『東京独身男子』が、この春、テレビ朝日系列でスタートしました。

熊本に住むわたしは、一度結婚したことがあるものの、現在はシングルの身。「熊本独身女子」を代表し、都会のアラフォー独身男子を研究する意味で、ドラマ第1話をしかと拝見いたしました。

男に「結婚適齢期」はないのか?

ドラマを動かすのは、メガバンクに勤める石橋太郎(高橋一生)、審美歯科クリニック院長でバツイチの三好玲也(斎藤工)、弁護士事務所のボス弁・岩倉和彦(滝藤賢一)。揃いも揃ってイケメン&ハイスペックなアラフォー独身です。彼らは「あえて結婚しない男子」=「AK男子」と呼ばれ、夜な夜な美女が集うパーティーや太郎の部屋で独身生活を謳歌しています。

彼らの合言葉は「結婚は女に自由を与え、男から自由を奪う」です。ほかにも「男に結婚適齢期はない」と断言するなど、第一話冒頭から、女性たちの地団駄が響き渡るようなシーンがてんこもりです。放っておいても女性たちがすり寄ってくるハイスペ独身男子であることを自負しているので、彼らに独身であることの悲壮感や焦りはかけらも感じられません。

主人公たちのルックス、スペック、「あえて結婚してないんで」という姿勢、そしてキラキラ東京在住。のんびり田舎で暮らす者としては、彼らとたとえ同じパーティに出席しても、「眼福、眼福」と3人を眺めるだけで、白旗降って会場を出て、ひとりで飲み直しにいくに違いありません。

しかし、独身界や恋愛市場を「高みの見物」していた3人にも不穏な影が落ちはじめます。高橋演じる太郎は、未練が残っていた元カノが結婚するとわかり、思い切り動揺。恋愛市場に舞い戻ってきた三好(斎藤)は、 美女とのセクシーな場面で自身の「精力減退」を痛感します。岩倉(滝藤)に至っては親の介護という現実を突きつけられ、慌てて交際相手にプロポーズをするも「わたしは介護要員か!」と見事に振られる始末。

3人はそれぞれの問題に直面して初めて「結婚」を意識するようになります。ここで、ふと「あえて結婚しない」の「あえて」は、上から目線で言っているわけではなく、「独身であることのエクスキューズ」なのかと気づきました。

太郎も「このまま年をとって『(独身なのは)何か問題あるんじゃないの』と言われる」と不安を抱いています。ハイスペ独身男子とはいえ、「世間の独身への偏見」をどこかで感じているのでしょうか。独身マウンティング界でトップにいる彼らも、社会という広い世界では誰かにマウンティングされているという、ややこしい状態のようです。

「男にも結婚適齢期がある」ことに気づき、ここから彼らの「こじらせ」が展開していきます。

結婚相手としてふさわしいのは誰か?

ところで、わたしがもし、この3人からあえてパートナー候補を選ばせてもらうならば、思い切り妄想でチョイスすると……

元カノへの未練が残っている人と結婚するのは寂しいし、介護要員として妻にされるのはごめん被りたい。互いの人生に責任を持つには、それなりの関係性の構築が必要なのに、岩倉さん(滝藤)ったらその積み重ねを吹っ飛ばしてプロポーズしているんだもの。そりゃ、相手からどやされます。

ということで、消去法で三好さん(斎藤)かなと。精力減退はなんらかの治療ができるので、自分たち次第で解決できそうだからです。

1話目で「そうそう!」と膝を叩いたのは「女は本質をSNSのアイコンに隠している」と太郎が分析するシーンです。太郎の元カノのアイコンは、一見すると「自撮り」なのですが、拡大すると背景に「誰かと手をつないでいる影」が写っています。アイコンに恋人の存在を巧妙に仕込んであるのです。

実はこれ、女性あるある。アイコンでなくとも、「仕事帰りにちょっと一杯。楽しかった! #残業つかれた #金曜の夜 #酔っ払ってこけた #明日はBBQ」というコメントとともにさらりと上がってくる写真は、ワイングラスのアップ。しかし奥にもうひとつワイングラスがぼやけて見えるときは「誰かと飲んでいるアピールだな」とわかります。

本当に伝えたいことは写真に込められていることが多いのは、同性としても実感しているところ。女心を知りたければ、写真の空間を読め、です。

ほかにもAK男子あるある、「塩にこだわる」シーンも吹き出しました。『伯方の塩』しか使っていないAK女子、いやDK(だから結婚できない?)のわたしは、塩を何種類も持っている男性というだけで怯んでしまいそうです。

果たして、男性に「結婚適齢期」があるのか、そもそもひとりを謳歌している独身男性は結婚したいのかしたくないのか。今後のドラマの展開が楽しみです。

 

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