「レイラ~」クラプトンが武道館で熱唱! 会場から「レイワ(令和)~」コールは起きたのか?

エリック・クラプトン来日公演の開催場所である日本武道館(画像の一部を加工しています)

「ギターの神様」の異名を持つエリック・クラプトンが来日。4月13日、東京・日本武道館で3年ぶりの日本公演を行いました。新元号「令和」と語感が似ていることから、ネットではにわかにクラプトンの名曲「レイラ(Layla)」に注目が集まっています。はたして、この日の公演で「レイラ」は歌われたのか? 聴衆は「レイワ~」とハモったのか? 中学生のころからクラプトンを聴いているという50代の新聞記者・Yさんが実際に武道館に足を運んだというので、会場の様子を寄稿してもらいました。

新元号の発表後「レイラ」がSNSでバズった

エリック・クラプトンの3年ぶり、22回目の日本公演を見た。公演は5日あり、この夜が初日。チケット発売のときに見た新聞広告には「昭和49年の初来日から45年を経て、平成最後の武道館公演へ」とあった。ウィキペディアによると、日本武道館での公演は海外のアーティストとしては最多で、90回を超えているという。

「ギターの神様」クラプトンもいまや74歳。時が経つのは早い。これだけ来日しているというのは、いかにクラプトンが日本を愛し、日本人がクラプトンを愛しているかの証だろう。

ところで、今回の公演、ファンはもちろん、ファン以外の人たちにも気になることがあった。公演に先立つ4月1日、日本政府は新元号「令和(れいわ)」を発表した。そのとき、新元号の語感に絡んで、クラプトンの有名な曲「レイラ(Layla/邦題「いとしのレイラ」)がSNS上でバズったのだ。

いわく「『令和』がレイラに聞こえる」。いわく「『令和』で『いとしのレイラ』が脳内再生される」。「ほぼ日」の糸井重里さんはTwitterで「エリック・クラプトンに歌ってもらえないか?」「問い合わせだけでもしてみましょう」と呼びかけた。日本びいきのクラプトン。ひょっとしてひょっとして、来日公演で「レイワ」を歌うのか?

新元号の令和は最古の歌集「万葉集」が出典で、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」との意味が込められているという。一方、「レイラ」はクラプトンが親友ジョージ・ハリスンの妻、パティ・ボイドに熱く心を寄せ、愛が生まれ育ったときに書かれた曲。なるほど、元号とこの名曲、通じるものがあるといえなくもない……って、かなり強引ですね。

ちなみに、クラプトンの「道ならぬ恋」は、やがてジョージ・ハリスン夫妻の離婚、そしてクラプトンとパティ・ボイドの結婚と相成ったが、結局、その2人も離婚するという結末を迎えた。

Layla/邦題「いとしのレイラ」(YouTubeより)

「レイワ(令和)~」の熱唱はあるか?

で、この日の武道館公演である。デニムにジャケットというラフな姿でクラプトンがステージに現れると、会場は一気に盛り上がる。神様の演奏と歌を自分の目の前で聴ける感動。春の夜の熱狂が続いていく。

そして、コンサートの中盤、一度聞いたら耳に残ること必至の、あの独特のイントロが流れだすと会場はさらにヒートアップ。そう、「レイラ」である。

74歳の神様が「俺が狂う前にベストな状況を作ろう」「この胸騒ぎを鎮めてくれ」とセツセツと人妻への思いを歌い、会場がその歌と演奏に酔いしれる。そこには善悪の彼岸を超えたニンゲンの在りよう、恋する動物のどうしようもない情念の世界が浮き彫りにされていた――。

なんてインチキな〝解説〟はさておき、この日の公演では、クラプトンの「レイラ」に合わせて、もしかしたら聴衆が「レイワ(令和)~!」と歌うんじゃないかと思っていた。だが、そんなことはなかった。

むしろ、会場全体が一体となってステージを見つめ、神様の演奏と声に耳を傾けていた。この貴重な瞬間を聴き逃すまいとして……。

アンコールには、シンガーソングライターとして人気で、ギタリストとしても高く評価されている来日中のジョン・メイヤーが登場。名曲「コカイン」を共演し、会場から大きな歓声が上がった。

「ティアーズ・イン・ヘヴン」も心にしみた

話はそれるが、昨年の秋、エリック・クラプトンの半生を描いたドキュメンタリー映画「エリック・クラプトン~12小節の人生~」を見た。実の母親に捨てられて断絶された生い立ち、あまたの恋と破局、薬物とアルコール中毒。「神様」と呼ばれる華々しい活躍の舞台裏に、おびただしい数の生々しい人間の苦悩と困難があった。

特に、最愛の息子で当時4歳だったコナーくんが高層マンションの53階から転落死する事故と向き合いながら、名曲「ティアーズ・イン・ヘヴン」を生みだしていくシーンが忘れられない。後半では、試練を乗りこえたクラプトンが、コナーくんの眠る教会で30歳年下の女性と再婚し、ようやく手に入れた穏やかな生活も映しだされていた。光が強ければまた影も濃い。ブルースマンの人生である。

そんな映画の余韻がまだ残っていたのだろうか。「レイラ」も良かったが、神様が歌う「ティアーズ・イン・ヘヴン」も心にしみた。

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(追記)日程に関する記述に誤りがありましたので、修正しました。

 

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