“意識高い系”と言われそうな社会人が集まる「ビジネスの大学」の入学式に行ってみた

ビジネス・ブレークスルー大学の入学式で挨拶する大前研一学長

経営コンサルタントの大前研一さんが学長を務める「ビジネス・ブレイクスルー大学(BBT大学)」の入学式が4月6日、東京都内で行われました。この経営学を専門に教える大学では、すべての授業がオンラインで受講でき、大卒資格やMBA(経営学修士)を取得できる大学として知られています。学生同士もネット上の文章で意見交換を行います。

講師陣の約6割が現役経営者で、入学者の大半が社会人という点も特徴です。社会人になってから大学に行く人たちというと、「意識高い系」というイメージを抱いてしまいますが、実際はどうなのでしょうか。

大変革の時代を生き抜くために

「人生、10年に1回は、抜本的な学び直しが必要なんです」

入学式でスピーチした大前学長は、社会人が勉強を続けることの意義について力説しました。

「21世紀は答えがない時代です。学校に来て何を学ぶかというと『答えを見つける方法』を見つけるんです」

こう大前学長は述べた上で、日本の学校教育の問題点を指摘します。

「昔のように、先生の言っていることを覚えていればいいという時代ではなくなりました。今の文科省の方針を見ていると絶望的で、いまだに答えを覚えさせようとしています。2040~45年には”シンギュラリティ”が到来し、同じことをしていては人間がコンピューターに負ける時代がやってくる。その時代に無謀な教育をしているのが、我が国です」

さらに、近い将来、AIやロボットによって多くの仕事が消失する”デジタル・ディスラプション(技術革新によって、既存の産業が根本から崩壊すること)”が起きると、大前学長は主張します。タクシー運転手やレジスタッフといった仕事だけでなく、ローン審査や株式投資といった頭脳労働も含めて、多くの仕事に変革が起きるというのです。

「今、大学で勉強したことって、何の役にも立たない。業界ごと消えていっているところもある。銀行なんかは典型です」

そう強調する大前学長。

「終身雇用なんて未だに信じている人がいるのは信じられません。JALがつぶれる時代です。銀行もおそらくほとんどつぶれると思います。終身雇用は戦後のある一時期だけ成り立った現象であり、無能な人をクビにしない会社は、会社ごとつぶれていくと思います。無能な経営者のもとで終身雇用なんて思っていたら、集団で滅亡するのを待つだけです」

ビジネス・ブレークスルー大学に入学し、決意を述べる元ラグビー日本代表の霜村誠一さん

「リカレント教育が当たり前になるといい」

こうした時代の変化に敏感な人や、自身の価値を高めたいという人たちが、この大学の門を叩いているようです。近年では、教育と就労を生涯にわたって繰り返す「リカレント教育」という言葉も注目されていますが、この大学で学ぶことは、まさにリカレント教育の一種と言えそうです。仕事をしながら経営学を学び、それを生かして再び社会で活躍するというわけです。

入学式に参加していた31歳の男性(アパレル業界勤務)は、こう言います。

「これからは80歳ぐらいまで働く時代になると言われています。あと50年もある。今の会社にも貢献したいし、新しいステージにも挑戦したい。何か新しいことをするときに、準備期間として学びたいと思ったんです」

「意識高い系と言われてしまうかもしれませんが、日本のリカレント教育の割合って先進国のなかでもすごく低いんです。日本だとすごいねって言われますが、世界的には普通。珍しいことではなく、当たり前のことになっていったらいいと思います」

「何かを勉強するって、楽しいことだと思うんです。何かを変えていく準備として、勉強は必要なのかなと思います」

入学金は約30万円で、学費は年間85万円ほど。それなりの覚悟が必要な金額ではありますが、卒業生たちの満足度は高いそうです。”人生100年時代”を生き抜くには、こうした個人レベルでの自己研鑽が必要なのかもしれません。

 

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