あの人気マンガの世界が広がる「シルクロードの宝石」ウズベキスタン

砂漠の都市ヒヴァ(撮影:矢巻美穂)

海に出るために、他国の国境を2度またがなければならない国を「二重内陸国」といいます。世界でもまれな二重内陸国のひとつが、中央アジアにあるウズベキスタン共和国です。世界最大の湖として知られるカスピ海の東に位置する、人口3000万人ほどの国です。

はじめて旅するウズベキスタン」(辰巳出版)は、「シルクロードの宝石」とも呼ばれるウズベキスタンへの旅の面白さを伝える1冊です。著者は矢巻美穂さん。旅行雑誌などに寄稿するカメラマンの女性です。

「乙嫁語り」の影響も大きい

なぜいま、ウズベキスタンに注目するのでしょうか? 同書の担当編集者・小林智広さんにたずねると、近年、成田空港から首都タシケントへの直行便(3月~10月)が飛ぶようになったり、滞在30日以内の観光であればビザが不要になったりしたことがあるといいます。

さらに、次のような分析も加えました。

「2014年に『マンガ大賞』を受賞した『乙嫁語り』(エンターブレイン)の影響も大きいと思われます。『乙嫁語り』は、森薫さんによる19世紀の中央アジアを舞台にした作品です。その世界を、実際にひと目見てみようと、若い女性を中心に、ウズベキスタンを訪れる人が増えています」

ウズベキスタンは、比較的治安がよく、日本や日本人に対して好意的な人も多いため、女性ひとりで旅するケースも少なくないといいます。

「はじめて旅するウズベキスタン」では、「青の都」と呼ばれるサマルカンドや砂漠の町ブハラなどに残るイスラム建築や遺跡とともに、巨大な鍋で作られる炒め物「プロフ」の店や、伝統的な布「アドラス」を使った衣料品店などが紹介されています。それらの写真を眺めると、「宝石」と呼ぶにふさわしい細やかで美しい光景が広がっています。

伝統的な布アドラスの専門店(撮影:矢巻美穂)

遺跡以外にも多くの魅力がある

一方で、ウズベキスタンはイスラム教徒の多い国。旅で訪れてもお酒が飲めないでは? という懸念がありますが、レストランやバーで飲めるそう。かつてはソビエト連邦の構成国だった影響もあって、ビール、ワイン、ウォッカなど種類も豊富です。

ただし、スーパーなどでは販売されていないため、ホテルの部屋で飲みたい場合は、事前に周辺にあるお酒の販売店(専門店)を調べておくとよいとのことです。

「はじめて旅するウズベキスタン」を編集するにあたって、小林さんは「中央アジア、ウズベキスタンに『一度は行ってみたいなぁ』と思っている人の背中を、そっと押してあげる。そんな丁寧な作りを意識しました」と語ります。「ウズベキスタンには遺跡以外にも多くの魅力があることを感じてもらえるとうれしいです」と話していました。

黄金のモスクの内部(撮影:矢巻美穂)

 

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