22歳が始めた「添い寝サービス」 実際に利用して「キャスト」に話を聞いてみた

22歳が始めた「添い寝サービス」 実際に利用して「キャスト」に話を聞いてみた
月額制の「添い寝」サービスを始めた山根春輝さん(提供:rainy)

キャストと呼ばれる男女が「添い寝」をしてくれるサービスがあります。「rainy(レイニー)」というこのサービスが2月12日、本格的に始まると、ネット上では「興味深い」「すごい」といった肯定的な声とともに、「危険な香り」「余計に悲しくなりそう」などと批判する声もあがりました。実際のところ、どんなサービスなのでしょうか?

「(料金を支払ったうえで)一度、試してみたい」と連絡したところ、「添い寝ができるのは2回目以降で、最初はカフェでお話の機会を設けております」と返信がありました。ならばと、rainyの代表で、自身もキャストのひとりである山根春輝さん(22歳)を指名し、会って話を聞きました。

利用者は、rainyのサイトに掲載されたキャスト男女6名から1名を選び、LINE@(ラインアット)を通じて連絡をとります。名前や電話番号、メールアドレスなどを登録後、キャストの「はるき」さん(=山根さん)から返信がありました。平日の午後、東京の新宿駅近くのカフェで会うことが決まりました。

サービスは月額の基本料金が3000円で、電話で話したり会ったりするには別途料金がかかります。たとえば、実際に会う場合は30分2500円の利用料が必要です。ただ、初回はトライアルということで、特別に1回1000円で利用できます。その場合、キャストと1時間会うか、電話で30分間やりとりするかを選べます。

今回はそのトライアルを利用して、はるきさんと会うことにしました。待ち合わせ時間の少し前、カフェを訪れると、すでにはるきさんの姿がありました。はるきさんは、大学生(現在は休学中)です。

「添い寝という言葉を使うとき、誤解が生じるのはわかっていた」

ーーrainyの「添い寝」サービスに対し、ネット上では懐疑的、否定的なコメントがありました。どう受け止めましたか?

はるき:「覚悟していた」というのがあります。「添い寝」という言葉を使うときに、誤解が生まれるっていうのは、わかっていたんです。でも、この言葉を使ったのには、意図がありまして。

ーーあえて「添い寝」と言っているということですか?

はるき:「添い寝」は利用していただく方にとっての「言い訳」でもあると思うんです。たとえば、「なんでも話してください」っていうサービスだったら、そんな話しにくいことってないじゃないですか。カウンセリングサービスというのもありますが、敷居が高いですし「専門家はちょっと……」となったときに、「添い寝? なんじゃそら」っていうところからウェブサイトを見ていただいて、「なんかいいじゃん」ってなったらいいなと思っていまして。なので、いまは「添い寝サービス」と名乗っています。

ーーサービス開始から約10日経ったいま、利用者はどれくらいいますか?

はるき:昨年10月からの仮サービス期間で約30人、本格サービス開始後はトライアル期間の方を含めて、10人くらいでしょうか。「添い寝サービス」とは名乗っているんですけど、9割の方は「添い寝」を使っていなくて。会ってお話するだけなんですよ。「やっぱりこうなるんだ」っていう。

ーー「添い寝」する場合、なにかルールはありますか?

はるき:密着するとか、顔を近づける、足をからめるというのはお断りしています。腕まくらは可能かなと思っていますが、そこもキャストによりけりです。キャストが嫌なことはできませんということでやっています。

添い寝サービス01
登録画面の「性別」入力欄には、さまざまな選択肢があった

ーー利用者が「添い寝してほしい」と言っても、断る場合があるということですか?

はるき:そうですね。お客様・・・僕らは「フレンズ」と呼んでいますが、フレンズとキャスト、どちらの安心のためにもやっていることなので。キャストが笑顔になれないんだったら、rainyってあるべきじゃないと思うんです。

ーーキャストの安全は、どのように確保しているのでしょう。

はるき:弁護士さんと一緒に、利用規約やサービス内容を作ってきました。たとえば一緒に料理を作るとして、キャストが作るのはOKだけど、食材を買っていくことはできないんです。そこは衛生面で専門家じゃないとダメなんだ、と。そういったサービス内容から作ってきました。

また、実際に2人きりになる場合、僕らはキャストの心拍数を計測して、録音もしています。何かあればわかるようにすることで、抑制する仕組みにしています。

ーーとは言っても、事後にしか確認できないという面があるのではないですか?

はるき:それはありますが、2人きりになるときは常に録音をしているので、何かが起きれば絶対にバレますから。マナーは守ってもらえると考えています。

ホストとして働くなかで知った「ひとりで泣いている人たち」の存在

ーーそもそも、なぜ「添い寝」サービスをやろうと思ったのですか?

はるき:以前、小学生向けのサービスの立ち上げたんですよ。サービスの兆しが見えてきたときに、いろいろありまして。それまでの自分が想像できないところに行きたいというのと、結果を出すことに疲れたという面もあって。「子供」「教育」でやっていたので、真逆のところはどこかと考えたとき、「夜」「ホスト」かなと。歌舞伎町のホストクラブで半年間、本気で働いたんです。

ホストの大切な仕事のひとつが、お客様の寂しさとか隙間を埋めてあげること。話を聞いて、ちょっと前を向けるようにしてあげることだったんですね。そういう仕事と向き合ったときに、「ひとりで泣いている人がこんなにもいるんだ」って気づいて。僕自身が両親を早くに亡くしていることもあって、なにか届けたいなって思ったんですよね。

ーー実際にサービスを利用しているのは、どういう人たちですか?

はるき:それが、本当にいろいろでして。僕らも予約が入るたびにびっくりって感じなんです。そのなかには、たとえばセクシャルマイノリティの方、自分を男性とか女性とか決めつけないXジェンダーの方がいらっしゃいます。僕らが第三者だからこそ、なんでも話せる関係になっています。

また主婦の方もいらっしゃいます。家事、育児って大変な仕事なのに、誰も見てくれなくて、褒めてくれない。そういうときに僕らが「今日は何をしてたんですか?」って声をかけると、すごく喜んでくださって。興味を持つ人がいることで、小さな元気と余裕が出るんですね。

ーーこの「添い寝」サービスは、当分続けるつもりですか?

はるき:続けられるなら、続けていきたいなと。いまやっていることって、アンダーグラウンドにはあったんですけど、それを自然なものにすることが僕の役目かなと思っているんです。人と人とのサービスって、夜の世界にはたくさんあるじゃないですか。キャバクラとかホストクラブとか。でも、そういうところを使えるのって一部の人で、後ろめたいし、怖いし、お金が高い。カウンセリングは壁が高い。

人と人とのサービスには大事なところがあると思うんですけど、どのサービスも届いてないなって。その届かなくなっているサービスのいいとこ取りをして、届けられるかたちにするっていうのが大事なことなんじゃないかなと思っています。

ーーちなみに、私(41歳・男)とここまで1時間話してみて、私が次回「添い寝」を依頼したら、受けてもらえますか?

はるき:もちろんです! 僕の場合は年齢や性別は問いませんので、危険がない限りお受けします。

 

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