女ひとり、ストリップ鑑賞。「綺麗な身体」に癒やされ、自己肯定感をもらえた

(イラスト・古本有美)

ストリップ鑑賞にハマる女性のことを「スト女」と呼ぶそうです。普段「スー女(相撲好き女子)」や「プ女子(プロレス好き女子)」である私ですが、今回はストリップ観賞について書きたいと思います。

実は以前、知り合いのスト女に誘われて、渋谷・道玄坂のストリップ劇場「渋谷道頓堀劇場」へ行ったことがありました。

くるくる回る台の上で、見事なプロポーションの女性が官能的なショーを披露し、見る者の目を釘付けにして魅了する。鍛えられた筋肉の上に薄い脂肪が乗った、とても均整の取れた身体に見惚れた記憶があります。

スト女の友人は「推し踊り子」がいるらしく、過去に撮影したツーショット写真を見せてくれたり、差し入れをした話を楽しそうにしてくれたりしました。

その時はスト女にはならなかったものの、先日知り合いとストリップの話をしたのを機に、ストリップ劇場の超老舗「浅草ロック座」へ足を運び、再びストリップ観賞をすることになりました。「あなたが行った渋谷道頓堀劇場は関西流のストリップね。浅草は関東流で雰囲気が違うから、一度行ってみるといいよ」と勧められたのです。

ストリップにも関西流と関東流があるの……? その人によると、関東流のほうが猥雑(わいざつ)な感じが弱めなのだとか。実際にどのような違いを体験できるのか、いざ劇場へ向かいました。

衣装をまとって皆で踊るシーンも

まず、入口の看板を見て驚いたのが、1日5公演も行われていること。1回目が13時〜14時40分で、2回目は20分の休憩を挟んで15時〜16時40分、3回目以降も17時〜18時40分と規則正しく続き、5回目の公演が終わるのが22時40分でした。

今回見に行った公演は2月1日から20日まで開催されますが、上記の公演スケジュールが20日連続で行われるって……。しかも、公演内容は月ごとに変わります。踊り子さんはびっくりするくらい、ハードな日々を過ごしているんですね。

会場には、メインの舞台とそこから続く花道があり、さらに、その先にある円形の舞台(「前盆」というそうです)を囲むように椅子席が並んでいます。私は平日13時からの部を観賞しましたが、お客さんの入りは5〜6割。やはり男性が大半ですが、女性の姿もチラホラありました。

開演すると、音楽隊のような衣装をまとった踊り子さんとバックダンサーがワーッと出てきて、群舞が始まります。女性だけで構成されたダンサー集団のパフォーマンスを見ているようです。

集団で踊る姿は、渋谷道頓堀劇場では見られなかったので、私の目にはとても新鮮に映りました。「ストリップショー=裸で踊る時間がほとんど」という思い込みがここで覆されました。

美しい裸身を眺めて「うんうん」と頷くお客さんも

数分の群舞、次に踊り子さんのソロパートという流れが繰り返されます。群舞のときはメインの舞台に大道具が運び込まれ、セリフや歌声はないものの、ミュージカルを見ているような気分になります。

丁寧に作り込まれた大道具に小道具、衣装、音響。クオリティの高いパフォーマンスが続きます。

皆、最初は衣装を着ていますが、群舞の終盤、目立たないところで脱ぎ始めます。その後に続くソロパートは、薄着になった状態から始まるケースが多いです。ひとりの踊り子さんに与えられた時間は10分弱。

計7人の踊り子さんが、異なる雰囲気のショーを次々と見せてくれます。違う世界へと誘われる感覚。一人ひとりが担当する約10分間を「景」と言うそうです。

照明に力を入れているのは明らかで、繊細なベールのような柔らかな光が降り注ぎ、踊り子さんたちの身体をまばゆく、神々しいものに見せていました。女神のような裸身が柔らかく開くのを見て、神妙な顔で「うんうん」と頷く高齢男性の姿も。

「めちゃくちゃ綺麗な身体だなあ。どう鍛えるとあんな風にお尻と太ももの境がくっきりとできるのだろう?」

「あの身体の柔らかさ、すごい。あのポーズ、家で試してみよう。相当キツいんだろうな」

「腕一本で身体全体を支えるポーズながら、腕がプルプルしていなくて、体幹のしっかり感が半端ない!」

などと感心していた私も、高齢男性の「うんうん」に共感しました。

見ているうちに、自分の身体を少し肯定できた

一人ひとり違う人間なので、肉体も一人ひとり違います。たとえば、ある踊り子さんは不要なぜい肉が付いていないように見える、バランスの取れた身体。

別の踊り子さんは下腹部が少しだけポコッとしていたけれど、雪のように白い肌がまぶしい。ベテランと思われる踊り子さんは、筋肉が付いているのに細く、目を見張るほど長い美脚が芸術的。

人に見られる職業の踊り子さんだから、皆さん揃って、美しい身体をしています。でも、その美しさや魅力は全員違っていて、それを見ているうちに、自分の身体を少し肯定できたような感覚がありました。

プロの踊り子さんである彼女たちの身体と、一般人の自分の身体を比べるのはおかしな話かもしれません。でも、「私はスタイルが良いとは言い難く、アンバランスな身体ではあるけれど、そんな自分にも良い部分はある」と認めてあげたいと思えたのです。

華麗なダンスショーと綺麗なハダカを見て、考え、癒やされる

開演から約1時間で4つの「景」が終わると、10分間の休憩時間に入ります。その時間帯に、会場左端にある女性用トイレに行くと、感想を書くノートが置いてありました。

これは見ずにはいられない……! ということでパラパラ見ていると、私と同じような「自分を肯定できた」といった声もありました。私も率直な気持ちを書き込みます。ハイクオリティなショーを見せてくれることへの賞賛と、それを見てどこか癒やされたことへのお礼を。

休憩を除くと約90分のショー。とても見応えがあり、お客さん一人ひとりがうっとりと、踊り子さんが織りなす世界観、魅惑のひとときに浸っているようでした。

「女性ひとりで行くのが不安」という方がいたら、「ご安心ください」と伝えたいです。劇場内は盗撮などを防ぐ目的で、スマホの使用が禁止されています。男性のお客さんも皆、見つめているのはステージだけ。時折出る拍手にこめられていたのは、愛とリスペクトです。

その日の夜、踊り子さんたちが取っていたポーズを、自宅でいくつかやってみました……。非常にハードな運動そのもので、身体を支える腕はプルプルするし、バランスは取れないしで、とても難しい。それを1日5公演もやっている踊り子さんたちに、改めて尊敬の念を抱きました。

華麗なダンスショーと「綺麗なハダカ」を見て、「素敵だな」「美しいな」「自分も筋トレをがんばろう」「ストレッチをちゃんとやって柔軟性を高めよう」などと思える――。浅草ロック座でのストリップ鑑賞は、人生にプラスの影響を与えてくれる体験でした。

 

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