なぜフィジーは「世界で最も幸福な国」なのか? 日本人移住者が見つけた「幸せのカギ」

フィジーに移住した永崎裕麻さん

幸福の国といえば、みなさんはどこを思い浮かべますか? 少し前に話題となったブータンを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

しかし、国際的な調査会社ネットワークであるWIN/GIAの「世界幸福度調査」では、別の国がトップになっています。2014年、2016年、2017年に1位に輝いた「幸福な国」。それは、フィジーです。

そんなフィジーに魅せられて、ついには移住してしまった日本人の男性がいます。彼の名前は、永崎裕麻さん(41歳)。いったいフィジーのどこが魅力的だったのでしょう。そして、なぜフィジーの人々は幸福なのでしょうか。

移住先を見つけるために「世界一周の旅」へ

「大学を卒業して、エンジニアとして働いていたんですけど、仕事がとにかくキツかったんです。それで仕事を辞めて、移住先を見つけるために、世界一周することにしました。でもピンとくる場所がなかったんです。その後、旅の集大成として『世界青年の船』という、色んな国の色んな人種の人たちが同じ船に乗って世界を回る企画に参加したんです」

明るいフィジーの人々

そこで出会ったフィジアン(フィジー人)の女性に、永崎さんは衝撃を受けることになります。

「僕が自己紹介で、『彼女と別れたばかりです』って場が凍りつくことを言ってしまったんですけど、そのフィジアンは笑ってくれたんです。そのあとに、『なんで笑ったの?』って聞いたら、『悲しいときほど笑わないとね!』って。。そのことに衝撃を受けて。とっても幸せそうな生き方だなと思ったんです」

フィジアンに惚れ込んだ永崎さんは、とうとうフィジーに移住してしまいます。ちなみにフィジーが「幸福の国」と気づいたのは、移住したあとだったそうです。フィジーの第一印象って、どんなものだったのでしょうか。

「フレンドリーな国ですね。いろんな国に行ってみて、現地の人々は2つのタイプに分かれると思いました。『旅行者に話しかけてくるけど、それはお金目当てである』か、『旅行者に話しかけてこない』のどちらかです。前者は発展途上国に多く、後者は先進国に多い。フィジーの場合、そのどちらでもなく、『目的なく旅行者に話しかけてくる』んですよ」

南太平洋の海をバックに寝そべるフィジーの若者

フィジーが「幸福の国」である理由

フィジーに実際に住んでみて、永崎さんはだんだんとフィジーが「幸福の国」と呼ばれるゆえんを理解するようになります。キーワードは「依存」と「非競争」だといいます。

「フィジー人は『つながり』が非常に強い人たちだと感じています。つながりを強化しているのは、フィジー人の『依存力』(甘え上手)なのかもしれません」

それに対して、日本人は一般的に「人様に迷惑をかけてはいけない」という精神が強い、と永崎さんは指摘します。

「依頼をするのが苦手。なるべく自分の力で解決しようとします。でも、人は弱いのです。だからつながるのです。日本人ももう少し、『人様に迷惑をかけてはいけない』という制約を外したほうがいいのかもしれません」

ダンスを踊るフィジーの男性たち

そして、日本と違って、フィジーがあからさまな競争社会ではないのも、幸福度と肯定感を高めている要因だ、と永崎さんは言います。

「フィジーの場合、学校では一応、試験があり成績がつきますが、日本の『学歴社会』のような深刻な感じではありません。また、子供達は学校以外に、血縁・地縁・教会縁など『非競争』的なコミュニティーにいくつも属しており、学校が競争チックだったとしても、その濃度は非常に希釈されています。人と比べずに子供時代を過ごすことにより、自己肯定感が高まり、『根拠なき幸福感』を得られるようになるんだと思います」

では、日本は、フィジーからどんなことを学べるのでしょうか。

「フィジアンは『いま、ここ」のことしか考えないんです。日本人は未来のことを考えますよね。すると現在の幸福度が低くなってしまう。また、何かを決断するときに、直感に従わず、損得勘定で考えてしまう。でもそれは、凄く疲れる行為なのです」

島国フィジーの周りには美しい海が広がっている

現在、フィジーで語学学校の校長をしながら、「日本で半年、フィジーで半年」の割合で生活しているという永崎さん。将来の夢は?

「フィジーの幸せの法則をうまく取り入れた教育を、日本でやりたいと思っているんです。大阪では、民間から校長を登用する制度もあります。機会があったらチャレンジしたいですね」

 

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