「30年来の謎が解けた!」中川翔子さんと巡る「サブカルの聖地」中野ブロードウェイ

レトロなグッズが並ぶ中野ブロードウェイの一画

「オヤジの聖地」と「サブカルの聖地」。東京にあるレトロな2つのビルの、ディープな場所を巡るツアーが、11月20日に実施されました。オヤジの聖地とは、東京・新橋駅前のニュー新橋ビル。サブカルの聖地とは、中野駅前にある中野ブロードウェイのことです。

前編では、ニュー新橋ビルの「ディープツアー」の模様を紹介しました。後編では、その後に行われた、中野ブロードウェイのツアーの模様をお伝えします。

新橋のツアーに引き続いて、中野ブロードウェイのツアーにも歌手で女優の中川翔子さんが同行しました。中川さんは東京・中野で生まれ育ち、中野ブロードウェイには「mmts(マミタス)」という自身のブランドショップを持つなど、ビルと密接な関係にあります。しかしながら中川さんは、今回のツアーによって初めて、長年抱いていたある疑問が解けたといいます。その謎とは「食べ物を扱う店がない4階で肉まんの匂いがするのは、どうしてなのか」というものでした。

ビルにはマンガやフィギュアを扱う店だけでなく、食料品店や喫茶店、衣料品店などがある

中野でのツアーには、男性4人女性6人の計10人が参加。中野ブロードウェイには店舗部分と繋がる「住居区」があります。本来、住人以外は立ち入れないその区域の会議室で、中川さんと合流しました。会議室のベランダからは、約13キロ東に立つ東京スカイツリーが見えました。

「中野ブロードウェイは、昭和とカオス、レトロと未来と現在の全部がつまった夢のアミューズメントパークタワーです」

中川さんはそんな風にビルを紹介していました。


「思春期をこの店に通って過ごすと、中川翔子ができあがります」

中野ブロードウェイは、1966年に開業した複合ビルです。当初は大通りにつながる大きな通路を通す構想だったため「ウェイ(道)」の名がついたといいます。一行は、ビルの1階からエスカレーターに乗って、一気に3階まで上りました。このビルの上りエスカレーターは、1階から直接3階につながるという作りになっているのです。

自費出版本など、一般的な書店では手に入りにくい書籍を扱う「タコシェ」の前を通りがかると、中川さんは「ここには私の好きなものしかない」と参加者に紹介しました。「思春期をこの店に通って過ごすと、中川翔子ができあがります」(中川さん)。

中川翔子さんが通った「タコシェ」

地元だけあって、中川さんのビルにまつわる思い出話は次々と出てきます。「このあたりはいつも薄暗くて、子供のころ、奥にある歯医者さんに連れてこられましたが、体感以上に痛く感じました(笑)」「この店は開いているところを見たことがありません」「この場所にあったお店では、生写真(アイドルのライブなどを撮った写真)が売られていて、自分の写真が販売されるようになったのが嬉しくて買い漁ったら、お店の人が『中川翔子カレンダー』をくれました」

「まんだらけ」は中野ブロードウェイから始まった

一行はその後、マンガを中心に扱う古書店「まんだらけ」の社員食堂や社員専用のバーを見学しました。まんだらけは、このビルにあった1号店から始まったのです。現在では、中野ブロードウェイだけでも30店舗のまんだらけがあり、「サブカルの聖地」と呼ばれるゆえんとなっていますが、1号店はわずか5坪(16.5㎡)だったそうです。

「アニメだったりレトロだったりが、世界的なブームになるずっと前から、中野ブロードウェイと『まんだらけ』は、そうしたものの素晴らしさを発信続けてきた。すごいなと思います」(中川さん)

「まんだらけ」1号店の写真。現在では別の店になっているという

中野ブロードウェイに「mmts」をオープンさせたことで、「ブロードウェイ・ドリームを叶えた」と語る中川さん。一方で、「純喫茶の店をもつ」という夢もあるといいます。中川さんの定義では、純喫茶とは「オープンしてから20年以上経っている喫茶店」とのこと。「30年後くらいに、ここ(中野ブロードウェイ)で店をやっているかも知れないので、その時は遊びに来てください」と語っていました。

「中野はレトロを抱きしめている」

ツアー終了後、一行がスタート地点の会議室に戻ってくると、中川さんは興奮ぎみに「30年来の謎が解けました!」と報告しました。「4階で肉まんの匂いがするのは、地下1階の換気扇の出口が4階外にあるからだそうです。警備員さんがしれっと教えてくれました!」中川さんがあまりに嬉しそうに話すので、参加者から笑いが起きていました。

中川さんは「中野はレトロを抱きしめている。時代が変わっていっても中野はこうだよと、守り続けている感じが愛おしい。皆さんも今日見たものを口で伝えてほしい」と、語っていました。

帰り際、ツアーに参加した30代の男性を呼び止め話を聞くと、「何回もこのビルに来たことがあるのに、4階があることを知らなかった。しかも大好きな『ニンジャ・タートルズ』のグッズを売る店があったので、今から向かいます」と話し、いそいそとエレベーターに向かっていきました。

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