「8割嘘のあなたが大好きです」19歳年上の男性にあてた「渡せないラブレター」

「8割嘘のあなたが大好きです」19歳年上の男性にあてた「渡せないラブレター」
「男性が腕時計をはずすときの『解放』される瞬間が好き」というユウさん。

「あの人に、ラブレターを書いてみませんか?」。たまに訪れる居酒屋で出会った23歳の独身女性に、たずねてみました。「短いものでもよければ」。ユウさん(仮名)は答えました。筆者は、ユウさんが19歳年上の男性に恋心を抱いていることを、知っていたのです。

ユウさんは、東京にあるアパレル関係の企業で働く、色白で小柄な女性です。雰囲気は女優・志田未来さんに似ています。職業柄おしゃれな雰囲気の彼女はかなりモテるようで、高校生のころから今にいたるまで、月に1回は同年代の男性から「告白」されてきたといいます。

しかし、ユウさんは半年ほど前、居酒屋の常連で会社員のOさん(42歳)のことが好きになったため、それ以降「告白」はすべて断ってきました。

実は、筆者もOさんを知っています。多くの人がイメージする「関西人」そのままの、明るく愛嬌のある男性です。「僕がしゃべっていることの8割は嘘ですから」。Oさんはよく言っています。ちなみに、彼も独身です。

渡せなかったラブレターその4
ユウさんには秋葉原の居酒屋で話を聞いた。

20歳近く年の離れた男性を「好き」になった理由

ユウさんがOさんのことを好きになり始めたのは、今年の春。昼からお酒を飲む「昼飲み」に誘われて、他愛のない会話をしたことでした。印象深いできごととして挙げるのは、夏の夜のこと。ユウさんが飲み会で酔いつぶれたとき、Oさんが介抱してくれたのです。

「自分のお金でビジネスホテルの部屋を取ってくれて、私に泊まるように言うと、Oさんは帰っていったんです。でも、LINEで何度も『大丈夫?』って連絡をくれました」。そんなOさんの紳士的な一面を見て、思いが強くなっていきました。

また、几帳面な性格のユウさんは「人前ではしっかりしなきゃ」と考えるあまり、対人関係に疲れがちでした。そんなとき、Oさんが口にした「(人は)ブレてもいい」という言葉に「救われた」とも言います。

Oさんがユウさんに送ったLINEには、次のようなメッセージが書かれていました。

「恐れずに自由に振る舞うのがいいと、私は信じています。その時に大切な奴はそばにいてくれるものです」

Oさん、もうユウさんと付き合っちゃえよ! 筆者はそう思うのですが、Oさんは彼女を、あくまで「友人」とみているようです。Oさんにも独自の考えや価値観があるのでしょう。

ユウさんは言います。「Oさんは自分の哲学を持っているんです。それを他人に伝えることができる『純粋さ』もある人だと思います」。

「ほかの誰かと付き合ったら、Oさんと飲めなくなる」

ユウさんは、LINEでOさんに何度か自分の思いを伝えたことがあります。「気持ちに応えてあげることはできないけれど、ありがとう」という趣旨の返信があったと言います。

「手が届かない人だから、付き合いたいとか結婚したいとかいう気持ちはありません」

そう淡々と語るユウさんですが、「ただ、ひとつ困っていることがあるとすれば……」と言って、こんな言葉を口にしました。

「今後、Oさん以外の誰かを好きになれるのだろうか? ということです。別の人と付き合ったら、Oさんと一緒にお酒を飲めなくなるし、彼氏と会っているときも『この時間でOさんに会えたかも』と考えてしまいそうで」

ユウさんとOさんの不思議でピュアな関係は、しばらく続きそうです。

そんなユウさんに、筆者は「Oさんにあてて、ラブレターを書いてみませんか?」と提案してみたのです。ただし、それは相手に渡すことのない「自分だけのラブレター」です。

それは、筆者がいつか「渡せなかったラブレター」の展覧会を開きたいと思って、好きな相手に届かなかったラブレターを譲ってもらうという、地味な活動を続けているからでもありました。

すぐにユウさんはOさんにあてた「ラブレター」を書いてくれました。そこには、次のようなメッセージが記されていました。

「8割嘘のあなたが大好きです。出会えてよかった」

渡せなかったラブレターその4
「2割は本当のことをしゃべってくれていると信じています」とユウさん。

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