バツイチ女ひとり旅〜憧れの「寝台特急」についに乗ってみました

バツイチ女ひとり旅〜憧れの「寝台特急」についに乗ってみました
終着の出雲市駅に到着

寝台列車に憧れて早十数年。「いつでも乗れる」と思って、機会を逃し続けていましたが、鉄オタの知人から東京―出雲・高松を移動する寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」の魅力を語られて、「よし! 10月に行こう!」と切符を予約しにいったのが9月。

ところが、狙っていた寝台のチケットが取れませんでした。「1カ月以上前から予約しないと取れない」とは聞いていたものの、ここまで人気だとは思っていなかったです。それでも切符を買って、10月下旬に乗り込んだサンライズ出雲でのひとときをレポートします。

寝台特急の切符は窓口限定販売

サンライズ出雲・瀬戸の切符はどこで買えるかご存知ですか? 実はネットや自動券売機では買えません。みどりの窓口や旅行センターなど、窓口限定です。このご時世に……? と少しびっくりしますよね。

新幹線や特急列車に乗るときよりも、“買い求める切符”が多いためかもしれません。というのも、寝台特急は乗車券、特急券に加え、寝台券も必要になるからです。3種類の切符がないと乗れない、ということ。

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見慣れない「寝台券」

なじみのない寝台券。シングル、ツイン、大部屋……いろいろな寝台プランがありますが、私が買ったのはB寝台「シングル」(寝台料金7560円)。実は「シングル」よりも1000円ほど安い「ソロ」を狙っていましたが、ひとり用個室として最安値のソロは既に予約でいっぱいでした。

もうひとつ決めなければいけないことがあります。それは行き先。岡山で車両が出雲行と高松行に切り離されるので、どちらへ行くかを選びます。縁結びの神に参拝したい私は、迷わず「サンライズ出雲」を選びます。

出発30分前にホームに到着したい理由

無事に切符をゲットしてから約1カ月、ようやく乗車日がやってきました。21時前に家を出て東京駅に向かいます。出発時間より30分近く早く、駅に到着する計算です。それには理由がありました。

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入線前の車両を撮影する人々

サンライズ出雲・瀬戸は、東京駅を毎日22時に発車します。21時半には車両がホームに入ってきて、30分間停車するんです。その間は絶好の撮影タイム。乗り込む前に車両の“顔”や“ボディ”などの撮影をしておきたかったんですよね。

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とても細い通路

心ゆくまで撮影した後は、車内の様子も撮影しました。人がひとり、ようやく通れるほどの狭い通路。前方から人がやってくると、体を横向きにして壁に沿うようにして道を譲らなければ、通行できないくらいです。

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ミニロビー。付近には自販機も

3号車と10号車には、テーブルと椅子が設置されたミニロビーがありました。車窓を楽しみながら飲食できるスペース。乗り込んだときにも、男性数人が缶ビールやちょっとしたおつまみを楽しみながら、プチ宴会をしていました。

コンパクトだけど、なかなか快適な個室

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個室は4桁の番号で鍵をかける。トイレに立つ際などに鍵を持ち歩かなくてもいいので嬉しい

終着の出雲市駅に到着するのは翌朝9時58分。それまで約12時間滞在する個室は、とてもコンパクトにまとまっています。

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女性のひとり寝には十分なサイズ

扉を開けるとシングルベッドがほぼすべての面積を占めています。圧迫感がまったくない、とは言えません。とはいえ、寝ながら移動するだけなので、これでいいのか。

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扉の裏に大きな鏡が付いている

ハンガー掛けやスリッパなどが用意されているのは嬉しい。オーディオセットやコンセント、鏡も常備されています。

立てるスペースはドア付近のみ。立ち上がって着替えたいときはそこへいきます。プロレスラーや力士のようなガタイの良い方だと、狭くて耐えられないでしょうが、一般の人なら一晩過ごすくらいは十分な広さだと思います。

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寝る態勢に

普段見られない夜景を眺める楽しみ

用意された浴衣に着替えて、いよいよ寝転がる準備です。自宅でお風呂は済ませて、すっぴんの状態で乗り込んだので、あとはもう寝るだけ。

車内でシャワーをしたい場合は、シャワーカードを購入することができます(個室によってはシャワーカードが付いている場合もあります)。

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カメラに残っていた1枚。どの辺りを走ってるときかは忘れた

びゅんびゅんと流れていく夜景や星空をゆっくり眺めるのも、寝台列車の楽しみ方のひとつ。ベッドの上に座ったり、寝転がったりしながら、景色を眺め続けます。

この日は月や星もクリアに見えて、なんともロマンチックでした。家のベランダから眺める星空も悪くないけれど、走行中の列車から見上げる星空は格別。特に寝転びながら見ていると、星空に近づいていくような錯覚を覚えるのです。

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在来線のホームは日常。寝台特急のホームは非日常

在来線のホームにいる人たちを見て、以前の私は向こう側からこの寝台特急を見ていたんだな、とぼんやり思いました。かつてはホームに立ちながら「寝台特急の旅……なんてロマンチックなんだ」とうっとりしたものです。

でも、今は自分が寝台特急で旅をする側になっている。そのことに強い快感を覚えました。勢いで予約して良かった、と。「後でいい」「いつか」と思って放置していると、それはいつまでも実現しない。だから思い立ったときにアクションしなければ、とも思いました。

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眠たい目をこすりながら、おそらく静岡県内で撮影したであろう1枚

列車が神奈川県を通り過ぎ、静岡県に入ったくらいで、猛烈な眠気に襲われました。東京都内を走っていたときと比べて、街の明かりも少なければ、自然がいっぱいで車窓から見える景色が暗め。だからこそ眠たくもなるというわけです。

気持ちは高揚しているので、少し寝てはまた目覚め……という浅い眠りを繰り返し、何度か目を覚ましてはいました。

知人から「午前4時ごろ通り過ぎる、新大阪駅のホームとか、誰もいなくてドキドキするよ。普段なら絶対見られない景色だから、がんばって起きてて、見てほしい」と言われていましたが、そのころは熟睡していました……。

移動時間も楽しみたいから、寝台特急を選ぶ

朝6時27分、列車は岡山駅に到着します。ちょうどその1時間ほど前から、車内アナウンスが再開され、頭と体がシャキッと目覚めてきます。

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朝の宍道湖

島根県松江市と出雲市をまたがる宍道湖(しんじこ)が車窓から見えるころには、着替えやメイクなどを整え、降り立つ準備を始めていました。

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終着駅となる出雲市駅

12時間に渡る列車の旅。飛行機で飛べば6分の1程度の時間で行ける距離。それでもあえて寝台特急に乗るのは、乗っている過程を楽しみたいから。それしかありません。

普段列車に乗ることのない真夜中の時間帯に、列島の東から西の端まで時間をかけて移動するなかで、日頃見ることができない景色にふれる。寝たり起きたりしながら。

無機質、色で言うなら無色透明だった移動時間が、ゆっくり移動することで色づく。そんなことを感じさせられた特急列車の旅でした。

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出雲市駅からバスで30分ほどで到着する出雲大社

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