妻ではない女性に「もっと早く出会いたかった」~渡せなかったラブレター

妻ではない女性に「もっと早く出会いたかった」~渡せなかったラブレター

「もう○年早く出会いたかったです。そうしたら旅行も一緒に暮らすこともできました。大好きです」

これは東京で働く会社員の男性Aさんの「渡せなかったラブレター」です。Aさんは30代後半。妻と小学生の子供がいます。しかし、この短い手紙は、妻とは別の女性に宛てて書かれたものです。

筆者は先日、ネットの掲示板に「渡せなかったラブレターを譲ってください」という告知を出しました。具体的に書くと、次のような内容です。

  • いつか「渡せなかったラブレター」の展覧会を開こうと考えています。
  • 「渡せなかったラブレター」を1通500円で譲ってください。
  • 実在する(実在した)人に向けたものであれば、このために書いたものでもかまいません。

連絡をくれた一人が、Aさんでした。

妻以外の女性とずっと交際してきた

都内の喫茶店で会ってみると、スーツ姿の落ち着いた雰囲気がある男性でした。誰もが認めるほどの「イケメン」ではないですが、笑顔が優しく、身ぎれいな印象です。左手の薬指には指輪。結婚して10数年が経つそうです。

しかしAさんはその間、途切れることなく妻以外の女性と付き合ってきたといいます。

相手は数年ごとに変わり、複数の相手と「同時進行」していた時期もあります。どの女性にも自分が既婚者であることは、あらかじめ告げています。妻との仲は決して悪くなく、休日には子供と3人で出かけることも多いそうです。

今回譲ってくれた冒頭のラブレターは、そんななかで現在付き合っている女性、Sさんに向けたものでした。

「なぜ、結婚後もいろんな女性と付き合うのですか?」。筆者はたずねてみました。

「僕には『常識』が窮屈なんです」と、Aさんは言います。「人間には両面性があります。それを認めたいという気持ちもあります」。

ラブレター会社員編_1
「これまで他の人にこの話をしたことはありません」と語ったAさん

「罪悪感がゼロかと言うと、ゼロではない」

AさんとSさんは約1年前、チャットアプリを通して出会いました。

「知らない人の『憂(うれ)い』が知りたい」。Aさんが、妻以外の女性との出会いを求めるのには、そんな欲求もあります。Aさんは厳格な父親のもとで育てられました。「いま思えば、父親も仕事のストレスがあったんでしょう。機嫌の悪い時には包丁を突きつけられたこともあるんです」。これがAさん自身の「憂い」だといいます。

連絡を取るようになっても、Aさんは決してSさんに「会いたい」とは言わなかったそうです。「相手にも僕の『内面を知りたい』と思ってもらいたいんです」。1週間もしないうちに、Sさんから「会いたい」と連絡がありました。Sさんは30代前半。彼女もまた既婚者でした。

「2人で会った日のことをあとで振り返ることが好き」というAさんは、Sさんと初めて会った記念に、ハンカチを買いに行きました。お互いに選んだハンカチをプレゼントしあう約束で、Aさんはふだん使っている香水をシュッと吹きかけて渡しました。

「期待感と意外性」。それが女性の気を惹くためのポイントだといいます。

後日、Sさんから「ハンカチを頬にあて、あなたのことを思い出している」と連絡があり、やがて2人は頻繁に会うようになりました。お昼どき、公園で一緒にお弁当を食べるだけで楽しいとAさんは言います。「彼女が育った家庭環境も複雑で、人を頼らないし、他人に期待しない性格。それでも僕には心を開いてくれていると感じるんです」。

であれば、ラブレターはSさんに渡したほうがいいのでは? 

率直に疑問をぶつけるとAさんは言います。「子供のことを考えると、どうしても決定打をうてない自分がいるんです。だから、『好きだ』ということは伝えられない」。そこにはSさんなりの判断基準があるようです。「罪悪感がゼロかと言うと、ゼロではないんです」。

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