これが現代の極楽浄土だ!「テクノ法要」東京国立博物館の仏像展とコラボ

これが現代の極楽浄土だ!「テクノ法要」東京国立博物館の仏像展とコラボ
東京国立博物館で開催された「テクノ法要」

テクノ音楽のリズムに合わせて読経が流れ、大画面に無数の仏がまぶしい光とともに登場――。そんな「テクノ法要」が、東京・上野の東京国立博物館で開催されました。テクノと仏教? 正反対の取り合わせに思われるかもしれませんが、実際に体験してみると…

テクノに合わせて仏が回る

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……。

電子音が鳴り響き、照明が落とされた暗い室内に、僧侶7人が並びました。読経が始まると、プロジェクションマッピングで、仏像のシルエットやお経の文字が、次々と映し出されます。僧侶が唱える、ややゆっくりとした読経にあわせて、重低音のリズムが刻まれていきます。

【動画】東京国立博物館で開催された「テクノ法要」の様子

プロジェクションマッピングが投影されたスクリーンは、仏像がグルグルと回ったり、無数の光が飛び交ったり、めまぐるしく変わり、目が離せません。

読経のスピードがあがると、それにあわせ重低音のリズムが、アップテンポに響きます。読み上げられるお経の意味が分からなくても、そのテンポと声に体をゆだねていると、気持ちがだんだん高揚し、不思議な感覚になりました。

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読経する大報恩寺の菊入諒如住職と真言宗智山派の僧侶たち

住職はYMO好き

「テクノ法要」とは、福井・照恩寺の朝倉行宣住職が営んでいる新しいスタイルの法要です。読経と組み合わせたテクノ音楽と、仏教の世界を表現したプロジェクションマッピングで構成されています。

お寺に人が来ないことに危機感を覚えた朝倉住職が2016年から始めました。「お寺らしい、お坊さんらしいなどの固定観念を崩したかったんです」。

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僧侶の読経に合わせたテクノ音楽とプロジェクション・マッピングの世界

朝倉住職は若い頃、坂本龍一らのYMOが好きでDJをしたり、照明オペレーターとして活躍したりした経験がありました。Perfumeの楽曲「Dream Land」のライブ演出にも刺激を受けたといいます。「光の空間が極楽浄土のようでした」。

そこで、今の技術を使って「極楽浄土」を表現しようと考えたのがテクノ法要でした。
今回の「テクノ法要」では、京都・大報恩寺の菊入諒如住職の読経を録音し、サンプリングしたものをリズムにのせ、実際に僧侶らが会場で唱える読経と一緒に流しました。菊入住職は「初めての経験でしたが、音楽に合わせて経を唱えるのもいいもんだなと思いました」と話しました。

実は、朝倉住職のお寺は浄土真宗本願寺派、菊入住職の大報恩寺は真言宗智山派と、宗派が違います。そのためふだんお勤めする経典が異なります。朝倉住職は「作曲するときに、どこがお経の切れ目か分かりにくかったですね」と苦労した点を明かしてくれました。

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照恩寺の朝倉行宣住職(右)と大報恩寺の菊入諒如住職

仏教に興味を持ってほしい

ただ、朝倉住職も菊入住職も「宗派は違ってもお釈迦様の言葉を伝えているのは同じです」と口をそろえて言います。「テクノ法要をきっかけに仏教に興味を持ってもらい、ぜひお寺にも足を運んでください」と熱く語っていました。

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特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」の会場

「テクノ法要」は、東京国立博物館で12月9日まで開催中の特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」に合わせ、11月6日午後にも開催されます。展覧会には、鎌倉時代を代表する仏師・快慶やその弟子らが製作した仏像が並びます。テクノ法要をきっかけに、仏教を身近に感じてみませんか。

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