幸せな「ひとり死」を迎える方法 「オジサン週刊誌」がこぞって特集

週刊朝日、サンデー毎日、週刊東洋経済といった老舗の「オジサン向け週刊誌」があいついで、おひとりさまの「老後」をテーマにした特集を組んでいます。50歳男性の4人に1人が一度も結婚していないという時代。ひとりで老後を過ごす人が年々増えています。そんな社会のニーズに合わせ、各誌は「ひとり力」を磨いて、幸せな「ひとり死」を迎える方法を伝授しようとしています。

「ひとり力」が必要な時代

週刊朝日・9月7日号より

週刊朝日は9月7日号で「『ひとり力』で老後を生き抜く」という記事を掲載しました。「人生100年時代、最後はおひとりさまになる可能性は極めて高い」としながら、人に頼らずに生きていく「ひとり力」の重要性を強調します。

「ひとり力」が身についている例として、マンションで一人暮らしをする68歳の男性を取り上げています。9年前に妻と死別しましたが、もともと共働きだったこともあって、料理などの家事をうまくこなすことができ、1日の終わりには近所の飲み屋でひとり酒を楽しんでいるそうです。

そして「ひとり力」を身につけるために重要なポイントを紹介。たとえば、孤独を感じるのは暇なときなので、趣味やスポーツに夢中になる時間を増やしたほうがいい、などと提案しています。

おひとりさまの「在宅医療」を紹介

サンデー毎日・10月28日号より

サンデー毎日は10月28日号で「おひとりさまの在宅『大往生』」という記事を掲載しています。その中で、首都圏で在宅医療専門クリニックを展開する佐々木淳医師に話を聞いています。

これまでに約1000人を在宅で看取ったという佐々木医師は「1人暮らしで看取った人で、かわいそうだなと思った人は記憶にない」と話しています。安心できる場所である「自宅」で死を迎えたいという人は多いそうです。高齢の単身者数も増え、在宅医療の需要が高まっているとのことです。

また、社会学者の上野千鶴子さんの「在宅ひとり死のススメ」という記事も掲載。上野さんは「孤独死」ではなく「在宅ひとり死」という呼び方を提唱します。その理由は、介護をする人や友人に支えられて生きていれば「孤独」ではないから。一人暮らしの高齢者が、自宅で穏やかに最期を迎えられるような社会の実現が必要だと語っています。

迷惑をかけない「孤独死」とは?

週刊東洋経済・11月3日号より

週刊東洋経済の11月3日号は「ビジネスパーソンを襲う『孤独』という病』特集です。まだ働いている現役世代の「孤独」に焦点をあてていますが、その中で「人に迷惑をかけない きれいな孤独死入門」という記事を掲載しています。

今の時代は「単身のまま生涯を終えるケースは珍しくない」としながら、元気なうちにしておきたい「死」に向けた準備の仕方を紹介します。認知症などで本人の意思能力が欠けてしまった場合に判断を他の人が補う「成年後見制度」や、葬儀の規模や費用を生前に決めておくサービスなどを取り上げています。

「おひとりさま予備軍が増えている」

なぜ「オジサン週刊誌」が、ここまで「おひとりさまの老後」を特集するのかーー。「ひとり終活」をテーマとした著書がある小谷みどりさん(第一生命経済研究所・主席研究員)は、次のように分析します。

「昔は、特に男性は結婚して一人前という価値観がありました。1960年の男性の生涯未婚率(50歳までに一度も結婚していない人の比率)はたったの1.26%です。お爺さんで一度も結婚したことがない人はほとんどいなかったのです。しかし、1990年以降、男性の生涯未婚率は急速に上がっています。2015年時点で23.37%となりました。一度も結婚しない、おひとりさまの男性が増えています」

たとえ結婚をした人であっても、パートナーと離婚したり、死別したりして、老後に「おひとりさま」になることが多いといいます。

「子どもや孫と住む3世代同居をする人が減っています。1980年には、65歳以上の半分以上(50.1%)が3世代同居をしていました。しかし2016年時点では、1割程度(11.0%)にまで下がっています。結婚しても、配偶者と死に別れると、おひとりさまになるんです。『おひとりさま』予備軍の方たちが増えているため、こうした特集がされるのだと思います」

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