地下鉄の駅に現れた「ひとり用」オフィスブースで原稿を書いてみた

地下鉄の駅に現れた「ひとり用」オフィスブースで原稿を書いてみた
改札からも近い溜池山王の「サテライトオフィスサービス」

この記事は10月下旬のある日、東京の地下鉄・溜池山王駅(千代田区)に設置された、わずか一畳ほどの広さの個室型ブースで書いています。予約した利用時間である「45分」以内に完成させることを目標として、書き始めました。

これは、富士ゼロックスと東京メトロが共同で実験的に運営する「サテライトオフィスサービス」。駅構内に設けられた個室をオフィススペースとして利用できます(12月28日まで実証実験中)。

「実証実験中だって」「お前、使ったことある?」

この「ひとり用」のオフィスブースは直方体で、筆者の計測では幅90㎝、奥行き150㎝、高さ196㎝。備え付けの机とイス、モニターがあり、電源や専用Wi-Fiを利用することもできます。10月現在、東京メトロの溜池山王駅、北千住駅、葛西駅のほか、新宿野村ビルに1ブースずつ設置されています。

利用料は15分200円。「取引先との打ち合わせの前に資料を修正したい」「短時間で集中して作業したい」「急いで原稿をあげなければならない」。さまざまな状況で使えそうです。

ただし利用するためには、ウェブページでの事前登録が必要です。氏名(カタカナ)、メールアドレスを登録したのち、クレジットカード番号の入力が必要です。ごく簡単な作業ですが、偶然このブースを見つけて、「いますぐ使いたい!」という人には、わずらわしく感じるかもしれません。

登録後、利用する時間帯を15分単位で予約します。筆者は、10月某日の「午前11時から45分間」で溜池山王駅のブースを予約しました。

サテライトオフィス1

「立って半畳、寝て一畳」とはよくいったもので、イスに座ってノートPCで作業するためには、畳約一枚分のスペースがあれば十分です。防犯カメラが、ブースの角(利用者のモニター画面は映らない場所)に設置されているのが、気になるといえば気になるものの、作業の邪魔になるほどではないでしょう。

天井が吹き抜けとなっているため、駅を利用する人の声や物音が聞こえてきます。

「『実証実験中』だって」
「お前、使ったことある?」
「(ガチャガチャ)」
「おいバカ、人が入ってるだろ。(ドアが曇りガラスだから)見えるだろ」
「ほんとだ!」

そんな会話がブースの外でありました。

発想はおもしろく、可能性を感じるサービスだが…

結局、初めての利用だったためにブースの解錠に手間取ったり、ブースの大きさを計測する時間が余計にかかったり、「原稿を書く前にまずひと息」とツイッターの画面を開いてしまったりしたせいで、45分間で原稿を書きあげることはできませんでした。いま残りの文章を、別の場所にあるコワーキングスペースで書いています。

この「サテライトオフィスサービス」、ひとことでいうと「可能性を感じる」ものでした。ありそうでなかったところを、うまく突いてきたなという印象です。

東京都内のコワーキングスペースをドロップイン(一時利用)で使うのに比べると、利用料はやや高めです。しかし、なんらかの作業をするために不慣れな土地で喫茶店を探し、席についてノートPCを開くという手間を思えば、こちらのほうが便利です。

一方で、実際に利用してみて課題も見つけました。ウェブでの登録と予約、解錠のためのログインです。ここはアプリでスマートに済ませたいところです。

「あ、資料を送るのを忘れてた」「データを見ながら電話で説明したい」。そんなときに、誰もが簡単なステップで使える「オフィス」になってほしいと感じました。

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