「聖地巡礼本」に特化した即売会 「研究者とファンが交流する場を作りたい」

「聖地巡礼本」に特化した即売会 「研究者とファンが交流する場を作りたい」
賑わいを見せる「アニメ聖地巡礼“本”即売会」(撮影/鈴木智久)

アニメの舞台を旅する「聖地巡礼」に関する同人誌や学会誌、専門書を一堂に集めたイベント「アニメ聖地巡礼“本”即売会」が9月24日、東京駅近くのイベントスペースで開かれました。

主催者によると、同人サークルや学会、出版社など13団体が出展し、2398人が来場しました。「聖地巡礼」ファンのほか、大学の卒業論文で聖地巡礼をテーマにしようと考える学生が訪れていました。東京駅の地下に直結しているという立地から、たまたま通りがかって訪れたという人も見られました。

同人サークルのブースでは、アニメ作品の舞台となった場所の探訪記や、各作品の「聖地」の独自研究をまとめた同人誌などが売られていました。学会や出版社のブースでは、「コンテンツツーリズム」と呼ばれる学問分野の学術雑誌や専門書が販売されていました。

会場内では、さまざまなトークイベントも開催。聖地巡礼に詳しい識者の対談や研究発表のほか、埼玉県久喜市を舞台にしたアニメ「らき☆すた」で柊つかさ役を務めた声優・福原香織さんによるトークショーが開かれました。

聖地巡礼イベント
会場の一角で催されたトークイベントの様子(撮影/鈴木智久)

「聖地巡礼」の“表現の場”求めて

これまで、「聖地巡礼」関係の同人誌を頒布する場は、世界最大の同人イベント「コミックマーケット」(コミケ)や、二次創作ではないオリジナル同人誌を扱う「コミティア」、文字媒体の同人誌を主に取り扱う「文学フリマ」などに限られていました。

いずれも「評論」や「旅」というジャンルで出展することが多いのですが、コミケを除けば、そのジャンルの規模が小さいことが問題でした。さらに、一重にコミティアや文学フリマでは「聖地巡礼本」の出展数も限られるため、聖地巡礼の研究者やファンが交流できる場がコミケぐらいしかないのが現状でした。

そこで開かれたのが、“世界初”とも言える「聖地巡礼」にテーマを絞ったこの即売会というわけです。

聖地巡礼イベント
学会のブースでは、「聖地巡礼」に関する学術雑誌が売られていた

「聖地巡礼の関係者が一堂に会する場所を作りたい」

「聖地巡礼・コンテンツツーリズムの関係者が一堂に会する場所を作ることで、地域とコンテンツが抱えている課題に対する議論が活性化すると考えています。この即売会はそのひとつです」

イベントを主催した、株式会社聖地会議の柿崎俊道さん(42)は狙いをこう話します。

「聖地巡礼・コンテンツツーリズムは宝の山で、もっといろんなことができると思います。今後も『聖地巡礼』と『コンテンツツーリズム』に関するいろんな企画を実施していく予定です」

聖地巡礼イベント
イベントを主催した柿崎さんの「聖地会議」のブース

柿崎さんはこう意気込みますが、出展者の反応はどうでしょうか。同人即売会に15年以上出展し続け、同人サークル「STRIKE HOLE」を主宰する花羅さんはこう振り返ります。

「普段出展しているコミケなど一般の同人即売会の場合、ジャンルが多岐にわたるため、来場者とのマッチングで問題がありました。こうした専門ジャンルの即売会はこの問題を解消できるので、とても意義深いです。東京駅前という場所も良く、売り上げもよかった。次回もまた出展したいです」

次回は2019年5月25日(土)に同じく、今回と同じ会場(東京シティアイ)で開かれる予定です。聖地巡礼の世界がどのような広がりを見せていくのか、今後が楽しみです。

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