フェイスブックじゃダメなんです! 日記を書いてみませんか?

フェイスブックじゃダメなんです! 日記を書いてみませんか?
日記に何を書く?(イラスト・和田静香)

1994年から2004年まで、私は何度か途切れながらも日記を書いていた。先日、久しぶりにそれらを棚から取り出して読み、大いに笑い、大いに考えさせられた。

日記は決まった日記帳ではなく、手近なノートに家計簿兼、という形だった。2000年3月26日を見ると、「丸正636円、ジュース135円、プリン350円、ホームセンター260円、同350円」とある。意外と細かい。

日記的部分には「部屋掃除、落ち込み、図書館へ。うんこ少し」とある。えっ? うんこ少し? なんだそれ? 落ち込んでるのに、うんこ少し? 自分、面白い人なのか? 身体を震わせて笑ったが、翌日もまた「うんこ少し」、その2日後には「便秘」、さらに1週間後には「うんこ出る」とある。うんこ日記なのか、これ?

と。いきなり、びろうな話ですみません。初めまして、和田靜香と申します。長らく音楽ライターをやり、今は主に相撲について書いてるライターです。53歳です。独り者です。毎日が「ひとりを楽しむ」生活です。

日記を通してよみがえる思い出

日記はしかし、そうか、こんなこともあったなぁとたくさんのことを思い出させる。1999年5月8日には「ついにパソコン購入」とある。そういえば私は中々パソコンを買わず、頑固にワープロで頑張っていた。当時買ったパソコンは20万2912円。確か富士通のFM-Vのシリーズだ。

その年はまた相次いで友人が亡くなっていて、5月26日と9月13日にはお通夜やお葬式に足を運んでいる。別の日付にはその友人の家に行ってお弁当を食べたとか、新宿でお茶をしたとかもあり、靜香よ、その人たちは意外と早く亡くなってしまうから、その時間を大切にしなさいと日記の中の自分に語りかける。

日記のすすめ02
2004年から10年間、日記を書きつけたノート

全く覚えてないことも多々ある。1996年3月17日には「日経エンタテインメントに驚く!」とだけあるのだが、一体何に驚いたのであろうか? さらに、2004年1月17日には「フラれる」とあるが、誰にフラれたんだろう? 「涙…」とかあるのに、思い出せない自分が悔しい。

日記を読むと「自分」が見えてくる

次々読んでいくと、記憶のひだに埋もれていた「自分」がくっきり見えてくる。1994年10月30日には「私のイケナイところがどこなのか?」と自問し、その答えがよく見えていない。そうだよ、そこそこ。自分のどこがダメなのか、具体的に分かってないところがダメなんだよ!と、ドラえもんのタイムマシーンに乗って机の引き出しから飛び出て教えてあげたくなる。

ダメダメと自己卑下してばかり。一年中、風邪で寝込んだの、あっちが悪いの、こっちが痛いの言って病院ばっかり通い、大切なことは全部後回し。そんなんじゃ、誰からも相手にされなくなるよ!

ああ、もうっ。読んでいて、焦れて、自分が情けなくなった。あなたね、そんなことしてると数年後には仕事どんどんなくなって、大変なことになるのよ! もっと自覚して、自分に何が足りなくて、何をすべきか考えなさいっ! もっと勉強して、自分の中に蓄積を作りなさいっ! 自分への怒りでワナワナと身体が震えるよう。まったく、若くて愚かで怠け者だ。

でも、悲しいかな、それが今にも続く私なのだ。落ち込んで怠けて文句を言いながらも、食べて、仕事して、合気道したり、バドミントンしたり。泣いたり、笑ったりしてきた私の10年の記録に、それでも私は生きてきたんだなぁと感慨深くもなる。完璧ではない。いや、ズタボロだ。それでも生きてきた。

「まぁ、ダメはダメなりに、ダメをひきずりながら生きてきたんだね、なんとか」そう言って肩をポンポンとしてやりたくもなる。しかも私、己のダメっぷりを本に書いてきた。いや、意外としたたかでたくましいのかもしれない。後に本になる「病院通いのことを書こう!」と決意している記述も見つけた。

日記のすすめ03
久しぶりに買った日記帳。いまの「自分」をありのままに記す

日記は飾らず、正直に書くのがいい

ああ、日記っていいですよ。自分という人間がよく分かる。今現在、焦ったり、落ち込んだりしていても、過去の日記を読むと、前も同じだったんだなぁ、それでもなんとか切り抜けてきたなぁと分かる。また、前はこうして失敗したから、今度はここを直して行こうと改めることも出来る。

自分で自分に後々学びをくれるのが日記だ。久々に読んでそう感じ、私はまた日記を書こうと新しくノートを文房具店で買ってきた。

そんなのはフェイスブックやツイッターに書けばいいじゃないか? いやいや、違う。あれは人に見せることが前提で、どうしたって着飾った自分になる。そうじゃなくて、日記はありのまま飾らず、正直に書く。それがいい。今日のことを書いて吐き出すことでス~ッとし、後から見ればフムフム思える。

日記、書いてみませんか? ほら、最近のノート、意外とかわいいですよ。1冊終わったら、2冊目はどんなノートにしょうかなぁ~と、それも楽しみ。続けるコツは毎日書こうと思わないこと。3日空いても1週間空いてもいい。書きたいときに書く。焦らずコツコツ正直に。

なんだ、日記を書くコツって、まるで人生の教訓そのものじゃないか。

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