「全日本プロレスの若手レスラーがすごくいい」 ひとり観戦が趣味の「プ女子」が推す3選手

「全日本プロレスの若手レスラーがすごくいい」 ひとり観戦が趣味の「プ女子」が推す3選手
2018年5月24日、長期欠場から復帰したジェイク・リー選手に向けて、大量の紙テープが投げ入れられた。「おかえり」「戻ってきてくれてありがとう」というファンからの愛

強い者同士が肉体と魂をぶつけ合う競技、プロレス。体力が限界に達しているように見えるなか、気力を振り絞って戦うプロレスラーの姿を前に、思わず涙することもあります。私はひとり観戦しながら声援し、感極まって泣いています。

今回は、プ女子歴2年4カ月の私が推しているプロレス団体のひとつ、全日本プロレス(以下、全日)の魅力を紹介させてください。全日の面白さは、勢いあふれる若手選手が育っていること。3人の注目選手を取り上げます。

がむしゃらなファイト、折れない精神に感動をもらえる……野村直矢選手

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リング内左が野村直矢選手。ラグビーのバックボーンを持っているからか、相手に勇敢に向かっていく姿にタックルの要素を感じることがある

身長185cmを超える、体の大きいレスラーが多い全日。2014年3月にデビューした野村直矢選手(24歳)も、体格に恵まれたヘビー級レスラーのひとりです。小学生のころからプロレス好きで、小橋建太さんや長州力さんに憧れましたが、プロレスラーになるつもりはなく、大学に進学します。

転機は大学1年の終わりでした。プロレス雑誌で全日が練習生募集の告知を出していたのを見て応募。大学を中退し、プロレスの道へ進みます。格闘技経験がなかったのに入門し、4年半のキャリアを築いてきたのは、中学で陸上部、高校でラグビー部に所属し、心身を鍛え上げていたことが大きかったのではないでしょうか。

以前、野村選手をインタビューしたこともありますが、魅力のひとつは「がむしゃら感」。対戦相手の技をとにかく受けまくる野村選手は、見ているこちらが心配になるくらいです。でも、どんなにボコボコにやられても、鬼の形相で立ち上がり続けます。「おら、来いよ!」と体全体で伝えている感じ。

「それを見て毎回心を揺さぶられています」とご本人に伝えたとき、野村選手は「自分は負けないし、まだ余裕があるんだと、対戦相手にもお客様にも伝えたい。だから意地でも立ち上がるんです」といったことを話していました。

見れば見るほど、表情も良くなっています。なにくそ、やられてたまるかという感情を声と表情で伝えられるようになっている。リング上でのふてぶてしさが増していて、格上のレスラーにもひるまず、とことん技を受けた後、強烈な一発を放ちにいく。2年4カ月の間にどんどん面白くなってきた、5年後・10年後が楽しみな若手です。

【野村直矢選手】
1993年10月26日、石川県生まれ。2013年10月、全日本プロレスに入門。練習期間を経て、2014年3月、青木篤志を相手に、地元金沢でデビュー。185cm、95kg。Twitter( @nomuraajpw

身体能力の高さに注目。爽やか王子・青柳優馬選手

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リング内右が青柳優馬選手。鍛え上げられた腕や太ももに注目。腕力もすごい

野村選手のタッグパートナーである青柳優馬選手も、実力のある若手選手のひとりです。2018年9月時点で22歳という若さ! 高校卒業後に入門しているので、もうすぐデビュー4周年。私が青柳選手の試合を初めて見たのは、デビューから1年半ほど経った2016年6月。その日も当然ひとり観戦、かつ、初の全日観戦でした。

当時は今と比べて線が細かったのを覚えています。186cmの長身だけに余計にすらりとした感じが目立っていたのでしょう。ただ、鋭いミサイルキックや打点の高いドロップキックなど、身体能力の高さは印象的でした。顔立ちも爽やかなので、ベビーフェイスとして人気が出る選手だろうな、とも感じたものです。

2017年には、東京スポーツ新聞社がその年に活躍したレスラーを表彰する「プロレス大賞」で新人賞を受賞。人気はどんどん上がっている印象を受けます。青柳選手といえば、ノリのいい入場曲に合わせて、タオルを頭上で回しながら入場するのが恒例で、お客さんも青柳選手のオリジナルタオルを回して迎えます。

タオルを回す人は明らかに増えていて、子どもたちからも大人気。青をベースにしたコスチュームは正義のヒーローっぽさがあるし、青柳選手が爽やかイケメンだというのは、子どもたちにも伝わりやすいのだと思います。

そんな青柳選手は長くジュニアヘビー級として戦っていましたが、2017年9月にヘビー級に転向を表明しています。以来、体は見るたびにたくましく、大きくなっていって、記者会見時に着ているスーツがピチピチに。それはそれでカッコいいですが、新しいスーツを贈りたい気持ちにさせられたものです。

ところが2018年1月、試合中に右足を骨折し、約4カ月に及ぶ欠場期間がありました。復帰から約1カ月後の7月、全日本プロレスのタイトル「アジアタッグ王座」を野村選手と獲得。8月26日に行われたアジアタッグ選手権試合では、大森隆男選手・木髙イサミ選手組に勝利し、初防衛を果たしています。シングルでの結果も待ち遠しい選手です。

【青柳優馬選手】
1995年11月2日、長野県生まれ。2014年12月、東京・後楽園ホールでデビュー。186cm、90kg。Twitter( @attack_on_yuma

甘いマスクの下で滾る。不屈の精神を持つ男、ジェイク・リー選手

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リング内右がジェイク・リー選手。2017年夏までタッグパートナーだった野村直矢選手との対戦。バチバチだった

5月24日、約9カ月ぶりにリングに復帰したのがジェイク・リー選手です。2017年7月、左膝前十字靱帯断裂などの重傷を負い、長期欠場を続けていました。今年3月、ファンの前にスーツ姿で現れ、自身の言葉で5月に復帰することを伝えたときは、SNS上で歓喜の声をあげるファンが目立ちました。

大学時代にウエイトリフティングで目覚ましい実績を残したのを買われ、2011年に全日に「期待の大型新人」として入団するも、9カ月で退団したジェイク選手。2015年6月に再デビューを果たしました。再スタートしてからのキャリアは、欠場時期を除くと2年半未満。前出の野村選手よりもキャリアは浅いのです。

それでもジェイク選手には華があり、夢を見させてくれる――私がそう感じる理由のひとつは、ジェイク選手の美しさにあります。俳優のように整った顔立ち、190cmを超える長身、長い手脚。手術後のつらいリハビリ・トレーニングを乗り越えて、復帰時に見せた肉体は、以前よりも引き締まり、ファンを沸かせたと思います。

急角度で落とすバックドロップなど、ウエイトリフティング選手時代に培ったパワーを活かした技も魅力ですが、長い脚を活かしたキックもジェイク選手の武器のひとつ。自身がツイッターで発信しているように、キックボクシング&柔術ジム「HEARTS KIX.」など、“プロレス外”での出稽古で得た学びも生かされているのでしょう。

プロレスをやめてから一時期、総合格闘技の道へ進んだり、3〜4年整体師として働いた経験があったり、現在もボディメイクトレーナーとしての顔を持っていたりと、「体の動かし方、使い方」を理論で理解し、引き出しが多いのもジェイク選手の特徴です。欠場中は実践武術の技術を学べる「倉本塾」に通っていたことも明かしています。

一度は夢を諦めても、大怪我で長期離脱を余儀なくされても、腐ることなく再びリングという舞台に上がるために戻ってきた折れない男、ジェイク選手。キャリアは短いながらもドラマティックな背景を持つ選手です。今年30歳。プロレスラーとしては30代半ばが脂が乗った時期と言われるので、これからの活躍が本当に楽しみな選手です。

【ジェイク・リー選手】
1989年1月19日、北海道生まれ。2015年6月、東京・後楽園ホールでデビュー。192cm、110kg。Twitter( @jl_lcg_0119

今回は、U30の若手で私がとくに推している所属選手をご紹介しましたが、全日には魅力的な若手選手が他にもいます。

絶対的なエースであり、全日本プロレスの人気再燃に貢献してきた宮原健斗選手や、柔道二段の腕前を持ち、「孤高の芸術」と名付けた見事な払い腰(柔道の投げ技)で魅せる巧者、岩本煌史選手など。ぜひ会場を訪れて、成長が止まらない若手たちの戦いを生観戦してみてください。

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