ハワイの熱い「BON DANCE」 日本の盆踊りと何が違う?

ハワイのBON DANCE。紅白の幕がかけられたやぐらをよく見ると、英語で「BON DANCE CLUB」と説明がある(提供・とくみルースさん)

夏本番、「盆踊り」が日本各地で行われる時期です。どこからともなく流れてくる、太鼓の音と懐かしい音楽。夏休みに家族と踊りに参加したり、露店の焼きそばを楽しんだり…。夏の思い出に欠かせない行事ではないでしょうか? 実は、この「盆踊り」がハワイでも盛んだそうです。ハワイに拠点寺院がある、日本最大級の伝統仏教教団・浄土真宗本願寺派の関係者や現地の人に、どんな盆踊りが行われているのか聞きました。

寺院の広い駐車場に設置されたやぐら。何重にも踊りの輪が広がる(提供・とくみルースさん)

盆踊りの由来は?

「お盆」は、先祖の霊を家に迎えてもてなし、またあの世へ送り返す宗教行事です。もともと旧暦7月15日前後の数日間にわたって行われていましたが、現在、行われる時期は地域により異なります。

宗派によって趣旨は少し異なりますが、浄土真宗では、お盆は「亡くなった方をご縁として、普段、誤ったものの見方をしていることに気付き、真剣に仏法を聞かせて頂く機会」とされ、「盂蘭盆会(うらぼんえ)法要」を勤めます。

盆踊りは、念仏踊りを起源として始まりましたが、次第に娯楽性が強まり、今のような形になったとみられます。

オアフ島のBON DANCE会場の一つ。奥にあるのはワヒアワ本願寺の本堂。日本のお寺とは建物が違いますね(提供・国行ケビンさん)

ハワイの盆踊りは「BON DANCE」と呼ばれ、たくさんの人が集まり、人気だそうです。ハワイの中心地ホノルルやカウアイ島などにある本願寺派の寺院では、6月から8月にかけて行われます。

昨年の盆踊りのスケジュール(浄土真宗本願寺派国際センターのホームページから)「BON SERVICE」とはお盆の法要のこと

見るより踊る人多い

ハワイ別院では、広い駐車場にやぐらが建てられ、盆踊りが行われます。盆踊りに欠かせない和太鼓も設置されます。夕方ごろから色とりどりの浴衣や法被を着た人たちが集まり始め、涼しくなる夜に「BON DANCE」は盛り上がりのピークを迎えます。

ハワイで育った小畑タバサさんは「宗教問わず、コミュニティー全体が参加するのがBON DANCEです。お寺が人々の中で生きているのを感じます。普段お寺参りされない方もBON DANCEには参加されます」と話します。

また、ハワイで生活経験のある僧侶によると「踊る人は夜がふけるにつれて増えていき、盆踊りの輪は何重にもなります」というほどの盛況ぶりだそうです。

BON DANCEが始まるのを待つ人々(提供・国行ケビンさん)

ハワイの盆踊りで特徴的なのが音楽。松平健の「マツケンサンバ」や田中星児の「ビューティフル・サンデー」など懐かしい日本の音楽もありますが、マドンナの曲や「エレクトリック・スライド(Electric Slide)」など、アメリカのポップミュージックに合わせて踊ることも。Youtubeにアップされている動画をみると、足でステップを踏み、まるでダンスホールです。

踊りの輪は、全体的に早く回り「日本より激しく踊る」そうで、タオルをぐるぐる回すなど、曲ごとに振り付けがあります。流行のポップミュージックが流れるので、若い人も積極的に参加しています。

出店の食べ物は、寺の婦人会の手作り(提供・国行ケビンさん)

盆踊りでおなじみの出店もあります。トウモロコシや焼き鳥など、日本の定番もありますが、珍しいメニューもあります。チャオ・ファン(Chow Fun)と呼ばれる中華焼きそばや、パニーニのようなホットサンド「flying saucer」、オーブンで焼いたお饅頭(Baked Manju)も。

ハワイには、19世紀末から多くの日本人が移民として渡りました。彼らやその子孫たちが伝承した古い慣習や催しは独特の形で発展しています。その一つが「BON DANCE」といえるでしょう。彼らの信仰を支えようと寺もハワイに渡り、今も活動しています。BON DANCEなどの行事も日本の文化を伝え、広げる大事な行事として行っているそうです。

日本風のやぐらを囲んで、ポップ音楽に合わせて、色々な人が踊るーー。その楽しげな様子から、ハワイの今が伝わってきます。この時期、ハワイに行くなら、こういう現地の文化にも参加してみるのも面白そうです。

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