31歳、母から「はよ結婚して」ハガキが届く 息子は誕生日も赤羽の居酒屋に

31歳、母から「はよ結婚して」ハガキが届く 息子は誕生日も赤羽の居酒屋に
母が「いらすとや」を知っていたことに驚く

DANROのコンセプトは「ひとりを楽しむ」。気ままな独身生活を満喫している僕にとって、最大の難関は親の存在です。今年5月、31歳の誕生日を前に、熊本の母からバースデーカードが届きました。ケーキのイラストの横には、こんな言葉が。

「いつか、一緒に美味しく食べてくれる人が隣にいてくれたらいいね・・。(母のつぶやき)」

「つぶやき」って言うか、普通にプレッシャーやんけ。ちなみに、30歳のときは「バースデーケーキもいいが、そろそろウェディングケーキ入刀といきたいものだわねぇ・・!」でした。

園田コラム第二回_2
30歳のときのバースデーカード

でも、お母ちゃん安心しておくれ。赤羽(東京都北区)に来て3年目、誕生日は毎回ケーキでお祝いしてもらっているから。いや、居酒屋でだけどさ…。

サプライズでケーキ お客さんからも祝ってもらう

2018年の5月19日は土曜日でした。仕事はお休みなので、当然のように赤羽の街に飲みに出かけます。1軒目はLaLaガーデンの方にある「笑和亭」。2017年の秋にできたばかりのお店です。

中華料理が主体なのだけど、とにかくあらゆるものが安くてうまい。ボトルキープで割り剤は200円。お通しもなく、2品頼んでも1000円ちょっとです。僕はここのアジフライが好きで、最近は注文をしなくても自動的に出てくるようになりました。

共同経営者の一人、佐藤菜摘さん(なっちゃん)が30代なので、客層も同世代が多く、赤羽の中では若い方です。この日は、なっちゃんの娘ちゃん(小1)もお店に来ていて、いつにも増して賑やかでした。

娘ちゃんの相手もしながら(してもらいながら?)飲んでいたら、店内が突然暗くなって、キッチンからケーキが登場。初めて会うお客さんも含め、10人が「ハッピ・バースデー・トゥー・ユー」をやってくれました。

 赤羽の誕生日_2
お客さんらと(右から2人目が店長のなっちゃん)

これ、全部お店のサービス。代わりに後日、お店の人にはお酒を飲んでもらったのですが、転勤族の家庭に育ち、地元の人たちと深く交流する機会が少なかった自分には、こういう「お返しの文化」は憧れでした。

居酒屋のママ「あなた、今月誕生日だったでしょ」

続いて、向かったのは「裏赤羽」にある中華居酒屋「将」。ネットで検索しても出てこないらしく、DANROの編集担当が不安がっているのですが、ちゃんと実在します。地元のおじちゃん、おばちゃんたちが集まる隠れた名店です。朝の4時くらいまでやっています。

僕は赤羽に移ってきて、3年目になりますが、29歳の誕生日も30歳の誕生日も、ここで祝ってもらいました。今年も5月の頭くらいに、街で大竹しのぶ似のママと出くわしたのですが、「あなた、今月誕生日だったわよね」と覚えていてくれました。

当日も「今年こそ優しい彼女にであえますように。時間あったら寄って下さいね!」というショートメールが届いたんですけど、あれ、なんか一言多い?

お店を訪ねると、カレンダーに「園田くん」の文字をみつけて感激。ちなみに、さっきの笑和亭では「そのちゃん」と呼ばれることの方が多いです。

当然、どう呼ばれるかで、こちらの振る舞いも変わります。「園田さん」だとより丁寧だろうし、「そのちゃん」「そのっち」ならあまり年齢を気にしなくても良い。「まーくん」「まーちゃん」と呼んで下さるお姉様方には、いつも甘えさせていただいております。店や店員さんによって、自分のいろんなキャラクターに気づけるのも、色んなお店に通うからこその楽しみでしょう。

さて、今年も例年通りプレゼントとして、米焼酎「よろしく千萬あるべし」のボトルをいただきました。日本酒・八海山の醸造所がつくっているのですが、米焼酎のすっきり感と日本酒のような吟醸香が楽しめます。将ではいつもこのボトルです。

赤羽の誕生日_3
米焼酎は万能な食中酒

「来年もよろしくですー」と伝えたところ、ママからは「早く一緒に祝ってくれる人を見つけなさいよ」。ちなみに彼女の息子は僕のちょっと下くらいです。どこの母親も考えることは同じなのでしょうね。苦笑いでごまかすしかありません。

そんなこんなで、米焼酎の水割りとともに、中国人マスターの激ウマ油淋鶏(ユーリンチー)に舌鼓を打つのでした。酢豚とか、麻婆春雨なんかも酒がすすむのでおすすめ。仲の良い常連客がいれば、みんなで料理を分けるので、いろんな種類を楽しめます。

海鮮居酒屋に2日連続で「たかり」に行く

時刻は23時50分。誕生日はまだまだ終わりません。「将」を後にして向かったのは、バー「サルソウル」。銀座でバーテンをやっていた玲奈さんが2000年に出したお店です。しかし、残念ながら、この日は臨時休業でした。後日、聞いたところ、珍しく旅行だったとか。

仕方がないので、今度は海鮮居酒屋「雅流天晴」で、マスターの平野さんにたかります。ところが、「昨日やったでしょ」とあきれ顔をされてしまいました。

実は前日、店の常連夫婦(この店で出会ったそうです)と平野さんから日本酒を1杯ずつご馳走になっていたのでした。気づけば、日付も変わっています。誕生日の「あいさつ回り」は終了です。何だか、ガラスの靴をなくした気分。

「平野さんも一杯飲んでよ」ということで、乾杯してちびちび飲んでいると、70年代歌謡のUSENから、天地真理の名曲『ひとりじゃないの』が流れてきました。

お店に入るときはひとりでも、店内では「孤独じゃないグルメ」が赤羽の醍醐味です。なんだか「ホテルで逢ってホテルで別れる」(島津ゆたか『ホテル』)みたいですが、ひとりじゃないって、本当に素敵なことね。お母ちゃん、息子は毎日楽しくやっています。

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