地方プロレスをひとりで生観戦。観光・グルメとくっつけた「遠征」がおすすめ

地方プロレスをひとりで生観戦。観光・グルメとくっつけた「遠征」がおすすめ
新潟プロレス 村上大会。この大会を観戦するために、東京から新潟県村上市まで遠征

7月のある週末、新潟に行ってきました。気ままなひとり旅です。

「DANRO」の人気記事「深夜バスで新潟の立ち食い寿司に行く」を現地での食事選びの参考にしましたが、これに影響を受けて旅に出たわけではありません。

5月には航空券とホテルの手配を済ませていました。というのも、私の新潟ひとり旅の「メインイベント」は、そのとき既に決まっていたからです。それは、7月22日(日)に村上市で開催された「新潟プロレス 村上大会」です。

ご当地プロレスを見る「地方遠征」

2016年5月から月2回はプロレス観戦に行くようになった私は、東京を拠点に活動する主なプロレス団体を一通り見終わると、東京以外、とくに「旅行」として遠出するような地方にも、プロレス団体はあるのだろうかと調べました。

すると、いろいろな団体が出てくる、出てくる。その都道府県を代表するプロレス団体が、各地にあることがわかりました。

2017年5月に、信州プロレスリング(開催地:長野県上田市、以下同)の試合を見る目的で「遠征」したのを皮切りに、同年7月にみちのくプロレス(岩手県盛岡市)、2018年1月に九州プロレス(福岡県北九州市)と、遠征を積み重ねていました。

そして、今回の新潟プロレスです。遠征先を決めるときは、「ご当地プロレス団体があること」と「プロレス観戦する時間を除き、観光やグルメを楽しめる街であること」という2つの条件をもとに選びます。

プロレス観戦が主目的ですが、せっかくお金と時間をかけて行くわけですから、ついでに旅(特にグルメ)も楽しまなくてはもったいない。そんな考えがあります。

新潟の地魚をいただく幸せ

新潟は8〜9年前に一度訪れたことがありますが、観光といえるほど動き回りませんでした。それもあって、プロレス観戦の前々日となる7月20日(金)夜に、新潟入りして、駅ナカの回転寿司「にいがた健康寿司 海鮮家」で夕食をいただきます。できる限り、旅先でごはんを食べたいんです。

プロレス地方遠征_03
右から「船べた」と「石持」

地魚を食べたくて、大将に何があるのか聞くと、「船べた」と「石持」の2つを勧めてくれました。船べたは淡白な白身魚で、刺し身でいただくのは新潟くらいだそう。私の“寿司経験”が豊富でないせいか、関東の寿司屋では見かけた記憶がありません。

石持は上越地方でよく食べられている魚で、高級蒲鉾(かまぼこ)の原料にもなるとか。肉厚でもっちりしていて、食べるとにんまりしてしまう魚でした。

翌21日(土)はカーフェリーで佐渡・両津港へ。現地を何度も訪れている人から勧められた「佐渡天然ブリカツ丼」(1200円・税別)を「鮨 長三郎」で食します。

プロレス地方遠征_12
佐渡天然ブリカツ丼。カツは5切と決められている

佐渡天然ブリカツ丼とは、佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」(コシヒカリ)の米粉を使った衣で揚げた天然ブリのカツを、特製あごだし醤油ダレにくぐらせ、「朱鷺と暮らす郷」の上に乗せた、佐渡の恵みがここぞとばかりに詰まったカツ丼。

佐渡での滞在時間が少なくて、たとえ1食しか食べられなくても、佐渡の豊かな食材をしっかり味わった記憶として印象に残る一品でした。

新潟の最北端、村上市へ電車の旅

食べてばかりですね……。話をプロレスに戻します。この旅のメインイベントとなる22日(日)は、新潟市街から60kmほど北にある村上市へ移動します。

プロレス地方遠征_07
「鮭の町」とも言われる村上市。「村上茶」や「笹川流れの天然塩」なども有名

各駅停車の電車(JR白新線)を使うと、新潟駅―村上駅の移動が1時間半ほどかかるのに対し、特急いなほ(酒田行)なら約50分で到着します。料金は各停の倍となる2000円かかりますが、早く移動したいので特急を選択。

プロレス地方遠征_06
北中行と塩野町行が、今回の目的地へ私を運んでくれる。しかし、本数がとても少ない

村上駅から会場となる「朝日みどりの里 多目的ド-ム」へ、バスで移動します。このバスが1日に4本程度しか走っていないので、タイムスケジュールの管理が慎重になります。だって、バスに乗れないと、タクシーで片道4000円もかかる距離ですよ……。この緊張感も旅の醍醐味。

プロレス地方遠征_08
緑に囲まれた道を走るバス

30分ほど走って到着。遅めの昼食に、新潟を代表する銘柄豚「朝日豚」を使った「焼肉定食」(1030円・税込)をいただきます。朝日豚もお米(コシヒカリ)も村上産のもので、地元の新鮮な食材を味わえるのが嬉しいです。

プロレス地方遠征_11
「焼肉定食」(1030円・税込)。「朝日みどりの里」内の食堂にて

朝日みどりの里は、村上市内にある道の駅。物産会館や温泉などもあります。しばらくぶらぶらして、「新潟プロレス 村上大会」の会場となる多目的ドームへ。

プロレス地方遠征_04
朝日みどりの里 多目的ドーム

会場内、熱気がすごいです。なぜかって、空調が効いていないから。扇風機でしか涼を取れないから。入り口でうちわをもらって、お客さんは皆、それで扇いでいます。

開始から約30分は、リングアナウンサーによるトークや大会実行メンバーのおねえさんたちによるダンスなど、出し物が続きました。柔らかいボールを客席にいくつか投げて、「当」マークが書いたボールを受け取った人にささやかなプレゼント、といった余興もありました。

東京ではなかなか見られない、スローペースなスタート。会場費が安価だから、あまり時間を気にしないでいい? 年間試合回数が少ないから、一回一回の試合でファンサービスを入念にする意図がある? いろいろなことを考えます。

「マッチョ害虫」に「デブ害虫」。リングネームがすごい

プロレス地方遠征_05
第1試合 3WAYマッチ20分1本勝負 鶴巻伸洋VSマッチョ害虫VSデブ害虫

ようやく第1試合がスタートします。もう、プロレスラーの名前が、なんかおかしい。マッチョ害虫選手にデブ害虫選手って……なんで「害虫」って名付けちゃった!?

声援が「マッチョー!」とか「デブー!」なんです。「マッチョー!」はアリでも、「デブー!」は呼んでもいいものか、ためらう響き。まぁ、リングネームなので、間違いなく呼んでいいわけですが、正直呼びづらいです。

美しい筋肉に覆われたボディと、マスクから覗くハンサム風な顔立ちからか、女性客に人気があったマッチョ害虫選手。女性客の飲み物を奪い、ごくごく飲んで返す、というのがお決まりの行動のようでした。

プロレス地方遠征_13
第3試合 タッグマッチ30分1本勝負 金本浩二 前田誠VS舞牙 ザ・ドラキュラ

第3試合にはプロレスファン歴2年弱の私でも知っている、大ベテラン・金本浩二選手が登場。ベテランプロレスファンと見られる方々からは、「カネモトー!」と熱い声援が飛び交っていました。

プロレス地方遠征_02
51歳にして美しく引き締まった金本選手(リング中央)の肉体

私の隣に座っていた、三条市からひとりで観戦にきたという男性(以下、Tさん)も、金本選手を応援していました。

ザ・ドラキュラ選手も目立ちまくりです。ドラキュラ的な外見及びコスチュームで花道に現れ、入場曲はマイケル・ジャクソンの「スリラー」。動きも妖しい。

休憩時間、物販コーナーで、ザ・ドラキュラ選手の写真を購入する際に、本人と会話しました。インド出身だそうです。目鼻立ちがくっきりしていて、ドラキュラメイクが似合っているのにも合点がいきました。

最年長レスラーは76歳! アラフィフ、アラ還レスラーが集まったメインイベント

プロレス地方遠征_09
メインイベント スペシャル6人タッグ30分1本勝負 ビッグ・THE・良寛 越中詩郎 松山勘十郎(松山座)VS富豪2夢路 リッキー・フジ グレート小鹿(大日本プロレス)

メインイベントは、選手の平均年齢が極端に高いです。ビッグ・THE・良寛選手は生年月日不明ですが、おそらく一番若い。彼を除くと、松山勘十郎選手が34歳、富豪2夢路選手が49歳、リッキー・フジ選手が53歳、越中詩郎選手が59歳、グレート小鹿選手は76歳……!

隣の席に座っていた男性・Tさんと「この6人タッグは豪華。でも、ヤバいですね(笑)」「小鹿さん76歳ですよ。大丈夫なの?」なんて言い合いながら見ていました。

「いぶし銀」のプロレスラーがここまで集まった試合は、東京を活動拠点とするメジャープロレス団体では、まず見られないでしょう。

所属選手が少ないゆえに外部の団体から選手を呼ばなければ興行が成り立たなかったり、中高年のファンが多いためにベテラン選手を呼んで喜ばせたり、といった事情があることを想像します。

ひとり観戦仲間と知り合う楽しみ

全試合が終了したのは19時前。終バスに乗れないことは事前にわかっていたので、タクシーを呼んで村上駅まで戻り、そこから特急で新潟駅へ帰ろうと計画していました。

しかし、休憩中にTさんと、お互いどこから来たのか話していると、それなら新潟駅まで送りますよと、とても嬉しい申し出をいただいたのです。「私は三条市まで帰ります。新潟市は通り道だから、遠慮しないでください」とまで言ってくれました。

プロレスという共通の趣味があり、共通言語を話しているからこそ、「同志」として見てくれたのだと思います。

お言葉に甘え、Tさんのクルマに同乗させていただき、新潟の美しい自然と夕陽を眺めながら、1時間ほどの快適なドライブを楽しみました。その間はプロレスの話が主ですが、私の父親くらいの年齢であるTさんに、ご家族の話や仕事の話、趣味の話を聞くことも。

ひとりプロレス遠征に行くと、こんなふうに見知らぬ人との出会いがあります。隣り合った人もひとり観戦をしていると、自然と会話が生まれることが多いんです。プロレスという共通テーマに限らず、その土地の話や美味しいものの話、ときにはこの日みたいに、その人の人生まで聞けるラッキーも。

プロレス地方遠征_01
新潟駅でTさんとお別れしてから、夕食を食べに入った「炉ばた 一兆」にて。「越乃寒梅」と刺身盛り合わせ

観光も楽しんで、地元グルメも存分に味わって、その地方ならではのプロレスを見る。
現地のプロレス好きと話をする。東京での観戦とはまた違う楽しみ方があるからこそ、地方遠征はやめられないのです。

合わせて読みたい

TAGS

この記事をシェア