モスクワ「赤の広場」 日本人の女子大生が「華麗なリフティング」で注目あびる

ワールドカップ(W杯)観戦の旅は、歓喜の日本ーコロンビア戦が終わり、6月24日のセネガル戦までモスクワに滞在しています

モスクワの名所「赤の広場」には、W杯を記念した「フットボールパーク」が特設されています。ロボキーパーを相手にシュートをするゲーム、ゴール隅の穴を狙ってキックするゲームなど、子どもから大人まで楽しめる様々なアトラクションが用意されているのです。今大会の優勝トロフィーも展示されており、記念撮影をする人行列ができていました。

赤の広場の象徴である「聖ワシリー大聖堂」の近くも、見物客の輪が。大道芸でもやっているのかな、と思ったのですが、中心にいたのはなんと日本の女の子でした

ボールひとつでコミュニケーションできる

W杯観戦のためロシアを訪れていた紅野真希さん(19)が、見事なリフティングテクニックを披露し、集まった観客を沸かせていました。

紅野真希さん(左)の見事なリフティング

「モスクワでもサンクト・ペテルブルクでも、広場でリフティングしていると、必ず人が集まってきます。全く英語が話せない現地のロシア人とでも、ボールひとつでコミュニケーションを取れたので、サッカーをやっていて良かったなと思いました」

現在はロサンゼルスにあるサッカーの名門大学に、奨学生として留学しています。紅野さんがサッカーを始めたのは、小学1年生のとき。

「小さい頃はお兄ちゃんとかとボールを蹴るのがただ楽しかったという感じで、将来日本代表になりたいとか、そういう意識はあまりなかったです。学年が上がるにつれて、徐々になでしこジャパンをテレビで観る機会が増えてきて、『こういう道もあるのか』と興味を持ちました」

彼女の人生に大きな影響を与えたのは、小学6年生のときにテレビで観た、2011年の女子ワールドカップ。なでしこジャパンが世界一に輝いた大会ですが、本人の印象に残ったのは、むしろアメリカの方だったといいます。

「優勝したのは日本だけど、フィジカルやスピードではアメリカが優っていました。だからいつかアメリカに渡って、そういう身体能力の高い相手に対してどのように対応していけばいいのか学びたいといういがありました」

高校生のとき、東京都教育委員会が実施する「次世代リーダー育成道場」という留学支援プログラムを利用し、アリゾナ州の高校に10ヶ月間留学。当地のクラブチームでサッカーをしました。

「所属していたクラブでは週に2回、フィジカルやステップワークを鍛えるアスリート用の施設に行きました。アメリカ人の強さはこういうところから生まれるのかなって感じました」

大学卒業後は海外のチームで活躍したい

将来の目標はもちろん「なでしこジャパンに選ばれ、W杯に出場すること」。しかし、そこには紅野さんなりの計画があります。

「大学では、外国人選手にフィジカルで勝てるようになること、そしてサッカーIQを高めることを意識しています。卒業後は、できればアメリカやヨーロッパなど海外のチームでステップアップできたらなと思っています。そこで活躍して、加藤恒平選手(東欧のチームで実績を積み、J1未経験で日本代表に選ばれた)のように逆輸入タイプでなでしこに選ばれることが理想です」

今回は母親と一緒にロシアを訪れ、旅行を兼ねてモスクワとサンクト・ペテルブルクで計3試合を観戦。「いちばん面白かった試合は?」という質問には、「セネガル対ポーランド」を挙げました。

「セネガルの選手たちのスピードとフィジカルが本当に衝撃的でした。この目で見たから、(24日に対戦する)日本の選手たちは本当に注意しないといけない。大変な試合になると思うけど、なんとか勝ってほしいです」

ところで、なでしこジャパンが有名になったことにより、何か環境に変化はあったのでしょうか。

「昔は女子でサッカーをしていると珍しがられたんですが、ワールドカップ優勝後、小学生年代の女子サッカー人口は確実に増えました。女子サッカーやなでしこという言葉が身近になったことにより、多くの人が興味を持ち、応援してくれるようになったので嬉しいです」

いつか将来、なでしこジャパンの一員として国際舞台で活躍する紅野さんの姿を、私たちは目の当たりにするかもしれません。

「W杯を生で観たことで、サッカーに対してのモチベーションが今までになく上がっています。今はアメリカに戻って新シーズンを迎えるのが、楽しみで仕方ないです」

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