ツイッターでは「感情的になった失敗もある」ZOZO前澤社長・会見全文(中)

ZOZOの前澤友作社長
ZOZOの前澤友作社長

「月周回旅行」の契約を米・スペースX社と結んだZOZOの前澤友作社長(42)が10月9日、外国特派員協会(東京・有楽町)で記者会見を開きました。

前澤社長は「月周回旅行」計画を9月に発表。2023年にスペースX社が開発を進める超大型ロケット「BFR」に乗って、世界的なアーティストと共に旅立つことを目指しています。

月周回旅行を前に、どんなトレーニングが行われるのか?「怖さ」は感じないのか? 記者から様々な質問がありました。3回に分けて紹介する前澤社長の会見全文の「中」を掲載します。

ZOZO前澤社長・会見全文・上】月に行ったら、いい仕事ができる

ZOZO前澤社長・会見全文・下】剛力彩芽さんも「月に行くチャンスがある」

月周回で一番楽しみなこと

質問(AFP通信の記者)すでにトレーニングは始まっているんですか? どういうトレーニングをこれから行わないといけないのでしょう? 宇宙に行くのは非常に危険だと思いますが、一番怖いことと一番楽しみに思っていることは何でしょうか?

前澤:トレーニングの内容についてはまだ一切決まっておりません。ただ、イーロン・マスクさんからは「そんなに過酷じゃないよ」とざっくり聞いています。ただ自分自身で思うのは、「必ず英語は必要になるかな」ということです。基本的に人間ドックは毎年行っていますし、「そういうところに異常がなければ、まず問題ないよ」と簡単に聞いていますが、具体的にはまだ決まってません。

「危険」「怖い」だとか、そういうことを言い始めたらキリがないので、まだ気にしないようにしていますが、今回は僕だけじゃなくてアーティストもお連れするので、当然、安全面はそれなりの担保がないと、僕も「さあ、行きましょう」とは言えませんから、スペースX社と安全面の話はしていきたいと思います。

自分が一番楽しみにしているのは、月に近づくことはもちろんですが、地球を丸く見ることですね。本当に丸かったんだなと。もちろん、みなさんも写真ではたくさん見ていると思うんですが、「それを自分の目で見たらどれほど感動するんだろう」と想像するだけで、涙が出そうになるくらいです。楽しみにしています。

「子どもは月に行けると思っている」

質問(フリーランス・フクシマソウ)月に行くと発表されてから、多くの子どもたちにインスピレーションを与えていると思います。ご自分の子どもたちにもその話はしましたか? 子どもたちを連れていくプランはありますか?

前澤:子どもたちに、もちろん言いました。子どもって、不思議と「月は行けるもの」だと思っているんですよね。「え、行けるんじゃないの?」と聞かれました。「僕たちも行きたい」と言われましたね。子どもはまだちょっと行けないから、「まずパパが行って先に見てくるから。先に行ってくるね」と言いました。

世界中の子どもたちは「月って行けるよね」と思っている気がします。もちろん今の子どもたちが大人になるときには、おそらく簡単に月に行ける時代になるんでしょうから、夢がありますね。最近、子どもたちと話すと、ちょっと出張などで外していると、「パパ、月に行ってきたの?」と聞かれます。

質問(NHK・寺田)月とはちょっと違うのですが、以前ツイッター上で球団経営の意欲を示されたと思います。シーズンオフが近づいてきて、今どうなっているのか。進捗状況を教えていただきたいです。

前澤:まだ今日の時点では何もお話しできませんが、思いは確かに持っていますし、動いていないこともないので、何らかの時点でお話しできる時が来ましたら、ご説明差し上げます。

「バスキアの前澤」から「月の前澤」へ

質問(日本経済新聞・ナグモ)今回の発表で、海外に前澤さんの名前が浸透したかと思いますが、プライベートブランド「ZOZO」の今後の海外展開について教えてください。

前澤:今までは「バスキアの前澤」と世界では知られていたのが、「月の前澤」にちょっとアップデートされて、知っていただいている方も広がっていると思います。同時にZOZOという我々のブランドを広げる大きなきっかけにもなります。そこはいやらしい話ですけれども、ちゃんとビジネスとしてもうまく使って、「前澤のやっているブランド」だという言い方をときにはするでしょうし、広げて行きたいと思います。

幸いなことにも、ZOZOSUITSをはじめ、海外の皆様から「面白い」という声もたくさんいただいています。いいスタートをきれていると考えています。付け加えますと、「前澤」というのが、海外の方は非常に読みづらいそうで、最近は自分のことを「MZ」と呼んでくださいとたくさん言っているんですが、一向に広まる気配がありません(笑)。

質問(ロイター通信の記者)スペースXのイーロン・マスクさんと会見を行なっていましたが、イーロン・マスクさんは、ツイッターをブランドを構築したり、いろんな人と関係を築いたりするために使っています。同じく前澤さんにとってツイッターは非常に重要なツールだと思いますか? それともリスクが伴うと思っていますか? ツイッターに関しては誰かチェックする人がいるのでしょうか? マスクさんに関しても、ツイッターをチェックする人がいたほうがいいと思われる方も多いかもしれません。

2つ目の質問は、アートコレクターとして、これまで株を売却してアートを買っているのかもしれませんが、今後、月のミッションに関して、今持っている株式を売却する予定はありますか?

前澤:ツイッターはうまく使えばいいんですけど、まずく使えばよくないのは、イーロン・マスクさんの件はそうですけど、僕もしみじみ痛感することがあります。まず、会社に関することをツイートするときには、極めて厳格な会社のルールがありますので、そのルールに基づいてやっています。当然チェックする人もいます。

個人の部分については、そのルールは自分の倫理観や考え方に基づくことが大きいですから、ときには失敗もあるでしょう。ただ、会社にダメージを与えるような失敗はしません。感情的になった失敗がよくあると、自分で反省をするんですけど、冒頭でも言った通り、使いようです。ときには私がつぶやくことで求人募集をすると、大量に応募が来たりもする。うまく使えば、非常にいいツールだなと感じています。

次にお金の話ですが、まずこの月のプロジェクトに、どれくらいのお金がかかるかは今日は発言できません。デポジットはすでにスペースXさんにお支払いしているという話はしていますけれど、それがいくらになるのかも話せないです。その資金も、今日は当然お話しできないです。

高額の買い物を続ける理由

質問(ブルームバーグニュース・中村)買い物についてお伺いしたいです。買い物が非常に大好きだと思いますが、この数年来ものすごいペースで買われている。これから同じペースで買い物をする見通しでしょうか? さらに増えますか? 買う分野が広がるのでしょうか?

先ほどから危険性についての話が続いていますが、イーロン・マスクさんも会見で何度も「Brave Brave Person」とおっしゃっていました。マスクさんとはいろんなお話をして時間を過ごして、「この人だったら信頼できる」と感じたことはありますか?

前澤:まずショッピングですが、ショッピングというとだいぶ軽くなっちゃいますけど、どういうものを買っているかというと、僕はものすごいこだわって作られたものが好きなんですよ。その職人の技を感じたり、その背景にある歴史だったり、そこに関わる人の情熱だったり。そうやってこだわって作られたものは、だいたいめちゃくちゃ高額になってしまうので、ついつい値段ばっかり一人歩きして、「またこの成金野郎が高いもの買ったぞ」となってしまうのですが、本来僕が買いたいのは、その裏にある「人の情熱」なんです。

その情熱を自分が感じる。そういうインプットが自分にあるというのは、自分の経営者としての仕事にも当然生きてきますし、自分が最近ZOZOという新しいブランドを始めさせていただきましたが、そこでも徹底した妥協を許さないものづくりみたいなものは生きてくるんです。「何もかも高ければいい」といっぱい買い物をしているわけではなく、その背景にある「人の思い」を買っているのが、僕の買い物の仕方です。

今後もどんどこ買うのかという話ですが、キリなくそういう素晴らしいものが世界にはいっぱいあるんだというのが、勉強すればするほど知れてきて、まだまだ欲しいものが実はいっぱいあります。ただ、もちろんお金的な制約や時間的な制約もあるので、全てというわけにはいきませんが。自分自身もいっぱいものを持っていますし、十分な生活をさせていただいているので、「これ以上」と思わないんですよ。

基本的に素晴らしい人の思い、素晴らしいこだわりのあるものづくりを人に広げたいです。特にこれからの若い方々、子どもたちに「こんなに素晴らしいものを作っている人がいるんだよ」と。「ただこの人の手を見てよ、血マメだらけじゃん」と。そういう心のこもったものづくりをする人は世界にこんないるんだと伝えたいです。

次に、デンジャー(危険)についてですが、イーロン・マスクさんはなんで何度も「デンジャー(危険)」と会見で言うんだと思いましたけども(笑)。彼を一番信頼できるなと思ったきっかけは、彼の会社に何度か行っているうちに社員の方々の姿勢や接し方が素晴らしかったことです。この社員さんたちの態度や姿勢はこの人が作ったものなんだろうと。

みんなイーロン・マスクを信じていますし、みんな彼の夢に自分の技術や情熱をぶつけています。そういう会社は自分も一経営者として素晴らしいなと思いますし、僕もそうでありたいと思います。そういう人同士が、月・宇宙というテーマで繋がって、そういう話ができることはすごい価値があって、とても信頼していますし、お友達としても先輩経営者としても大変尊敬しています。

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